サーフボードのサイズ選び完全ガイド|体格・経験別の最適なサイズを徹底解説
この記事はBeach Access編集部が執筆しており、サーフボード選びの包括的な情報を提供する「初心者向けサーフボード完全ガイド」の一部として作成されています。
サーフボードのサイズ選びで悩んでいませんか?この記事では、体格と経験レベルに基づいた最適なサーフボードサイズの選び方を徹底解説します。Beach Accessの製品設計経験に基づく科学的なアプローチで、失敗しないサイズ選びのコツをお伝えします。
サーフボードサイズ選びの基本原則
サーフボードのサイズ選びには、科学的な根拠に基づいた3つの基本原則があります。多くの方が「体重×1.5倍のボリューム」といった単純な公式に頼りがちですが、実際にはもっと複雑な要素が関わっています。
3つの基本原則
- 体重よりも経験を優先 - 同じ体重でも経験によってボード選びは大きく変わります
- 表記ボリュームはあくまで目安 - 実際の使用感はシリーズやモデルにより異なります
- 成長を見据えた選択 - 初心者は最初から小さすぎるボードを選ばないことが重要です
ボリュームと浮力の正しい理解
ボリューム(L)はコアフォームの成形前の容量を表示しているだけで、完成品の実際の浮力とは異なります。同じボリューム表記でも、重い素材で作られたボードは軽いボードより浮力が小さくなるのです。

素材や構造の違いがボリュームと実際の浮力の関係に影響します
初心者向けサイズ選びガイド
初心者の方にとって最も重要なのは、波をキャッチできる確率を高めることです。そのためには適切な長さとボリュームの選択が不可欠です。
基本指針:身長+40cm以上の長さ
初心者には身長より40cm以上長いボードをおすすめします。例えば身長170cmの方なら、少なくとも210cm(7'0")以上のボードが適しています。これは物理的な理由があります。
なぜ長いボードが有利なのか? 長いボードは短いボードに比べて最大パドリング速度が速く、水との接地面積が大きいため推進力が増加します。初心者にとっては最大速度の方が重要で、波への進入に必要な力を得やすくなります。
初心者向けボリューム計算表
体重 | 推奨ボリューム | 推奨モデル例 |
---|---|---|
40-50kg | 40-60L | m-soft 7'0"(68L) |
50-70kg | 60-80L | m-soft 8'0"(85L) |
70-90kg | 70-90L | Standard 8'0"(66L~73L) |
90kg以上 | 90L以上 | Standard 9'0"(70L~74L) |

m-soft 8'0"は初心者に最適な長さとボリュームの組み合わせです
シリーズ別の浮力特性とサイズ選択
Beach Accessの3つのシリーズ(m-soft、Standard、HS)は、同じボリューム表記でも実際の浮力感が大きく異なります。構造と重量の違いを理解してサイズを選ぶことが重要です。
シリーズ別浮力特性の比較
シリーズ | 重量特性 | 実質的浮力 | 適している人 |
---|---|---|---|
m-soft | 軽量 | 表記に近い浮力 | 初心者、カジュアルユーザー |
Standard | 重量級 | 表記より低い浮力 | 初心者〜中級者 |
HS | 中〜重量級 | 表記より低い浮力 | 中上級者、パフォーマンス重視 |
シリーズによる調整の目安: Standardシリーズでは表記ボリュームの10-15%増し、HSシリーズでは15-20%増しのボリュームを目安として考えることで、m-softシリーズと同等の浮力感を得られます。
より詳しいシリーズ間の違いについては、Beach Accessソフトボード3シリーズ徹底比較の記事をご覧ください。
中級者・上級者向けサイズ選択
基本的なテイクオフができるようになった中級者以上の方は、操作性とパフォーマンスを重視したサイズ選択が可能になります。経験レベルに応じて徐々に短く、操作性の高いボードへ移行していくのが理想的です。
中級者向けサイズガイド
経験レベル別推奨サイズ
中級者(体重50-70kg)
Standard 6'6"〜7'0" または HS 6'10" - 操作性と安定性のバランス
中級者(体重70-90kg)
Standard 7'0"〜8'0" または HS 7'6" - やや短めでも十分な浮力
上級者(パフォーマンス重視)
HS 5'10"〜6'10" - 高い操作性と反応の良さを重視
波のコンディション別サイズ選択
波の高さ | 推奨タイプ | 重視すべき特徴 |
---|---|---|
小波(ヒザ〜腰) | 長め・浮力高め | パドリングの容易さが重要 |
中波(腰〜胸) | 中間サイズ | バランスの取れた性能 |
大波(胸以上) | 短め・操作性重視 | 反応の良さと操作性が重要 |

中級者になると波のコンディションに合わせたサイズ選択が重要になります
失敗しないサイズ選びのコツ
多くの方が失敗しがちなサイズ選びの落とし穴と、それを避けるための実践的なコツをご紹介します。経験豊富なサーファーでも意外と知らないポイントもあります。
よくある間違いとその対策
間違い1:体重だけでボリュームを決める
対策:経験レベル、サーフィン頻度、目標スタイルも考慮して総合的に判断しましょう。同じ体重でも週1回サーフィンする方と月1回の方では適切なボリュームが異なります。
間違い2:いきなり小さいボードに挑戦
対策:段階的なサイズダウンを心がけましょう。初心者から一気にショートボードサイズに移行するのではなく、ミッドレングスを経由することで確実にスキルアップできます。
間違い3:ボリューム表記を絶対視する
対策:シリーズや構造による浮力の違いを理解し、実際の使用感を重視しましょう。同じ50Lでもm-softとHSでは全く違う乗り味になります。
理想的なボード変遷の道筋
- スタート地点:身長+40cm以上の長さ(m-soft 8'0"など)
- 基礎確立期:長めのミッドレングス(Standard 7'6"〜8'0")
- 技術向上期:やや短めのミッドレングス(Standard 7'0"またはHS 6'10")
- スタイル確立期:自分のスタイルに合わせた選択
より詳しいソフトボードの選び方については、ソフトボードのサイズ別選び方の記事で具体的な選択方法を解説しています。
よくある質問
初心者はどのくらいのサイズから始めるべきですか?
初心者の方には身長より40cm以上長いボードから始めることをおすすめします。例えば身長170cmの方なら7'0"以上のボードが適しています。最初は長めのボードで波をキャッチする感覚を身につけることが上達への近道です。
同じボリュームでもシリーズが違うと乗り味は変わりますか?
はい、大きく変わります。m-softは軽量なので表記ボリュームに近い浮力を感じられますが、StandardやHSは補強材により重いので、同じボリューム表記でも浮力感は控えめになります。シリーズ選びは非常に重要です。
中級者になったらどのタイミングでサイズを変えるべきですか?
基本的なテイクオフが安定してできるようになり、ボードをコントロールできるようになったら、徐々に短いボードに挑戦しても良いタイミングです。ただし一気にサイズダウンせず、段階的に移行することをおすすめします。
波の大きさによってボードサイズを変えるべきですか?
理想的には波のコンディションに合わせてボードを変えることで、より楽しいサーフィンができます。小波では浮力の高い長めのボード、大きな波では操作性の良い短めのボードが適しています。ただし初心者のうちは1本のボードで様々な波に挑戦することも大切です。
まとめ
サーフボードのサイズ選びは、体格だけでなく経験レベル、サーフィン頻度、目標スタイルを総合的に考慮することが重要です。初心者の方は身長+40cm以上の長めのボードから始め、段階的にサイズダウンしていくことで確実にスキルアップできます。
また、Beach Accessの3つのシリーズは同じボリューム表記でも実際の浮力感が異なるため、シリーズ特性を理解した上でサイズを選択することが成功の鍵となります。
適切なサイズのボードを選ぶことで、サーフィンの上達が格段に速くなります。Beach Accessでは初心者から上級者まで、それぞれのレベルに最適なボードをご用意していますので、ぜひお気に入りの一本を見つけてください。
執筆者:Beach Access編集部
監修者:ヒガシーサー(サーフィン歴20年)