ハマれる大人の趣味、50代から始めるサーフィンのご提案
人生の流れの中で、わすれかけていた“自分らしさ”を取り戻し始めるきっかけがあると思います。
若かりし学生時代に興じた趣味の数々はしばらく棚上げして、社会人としての日々を過ごすようになって、それでも次から次へと湧き出る好奇心を我慢して、様々な経験を重ねる。日に日に重くなっていく責任を感じて、やがて人生の流れに翻弄される日々の中で“自分らしさ”を閉じ込めるのが当たり前になっていく。
共感できる方も少なくないのではないでしょうか?
そんな日々が過ぎ、やがてそんな生き方に少し慣れて、責任を持った大人としてのあり方を学び、背負っていた荷の重さに慣れたころ。50代とは人生の中で、ふと失われていた自分らしさに気づき、取り戻し始める時期ではないでしょうか?
経済的にも、時間的にも、少し余裕ができて、体力も多少衰えたとはいえ、鍛えなおせば若い頃と遜色ないくらいにいける気がするのではありませんか?
50代とは、体力的にもまだまだ頑張りがきくので、大人になった若者が新たな挑戦をする中で、再び自分らしさを取り戻すことのできるチャンスの時代だと思います。
そんなときに、海と波と大自然の中で、自分と向かい合う時間を過ごすことのできる趣味としてのサーフィンは、大人になった自分に再び自分らしさを取り戻すきっかけを与えてくれるかもしれません。
1. ハマってしまうサーフィンの魅力
若い頃になんとなく気になっていながらも、チャンスを見送ってきた人も少なくはないと思います。また、少しはやってみたけれど、遠のいてしまったという話も案外多く聞きます。
ここはひとつ、一念発起、サーフィンに挑戦してみませんか?
サーフィンは、極論すると、自分の気持ちひとつでできるスポーツです。
相手は自然ですから、自分の都合さえ付けば、波のコンディションの良し悪しはあるとはいえ、いつでも気が向いた好きなときにできるので、思い立ちさえすればよいのです。この自由さがサーフィンの魅力のひとつだと思います。
チームスポーツや対戦型のスポーツと違って、仲間や相手を必要とせず、自然のふところを借りて、己の心身を通じて自分との対話を楽しめる運動です。
その時の自分のメンタルやカラダの状態がその日のサーフィンに影響を及ぼします。ハマると常にいいパフォーマンスが出せる状態を維持しようとしますので、どうすれば自分の心とカラダが常に幸せでいられるのか、自分自身に真剣に耳を傾けることにより大事な気づきがあったり、大事なことを思い出したりするかもしれません。
初めのうちは、慣れない波やボードとの格闘の末、筋肉痛に悩まされることもあるかもしれませんが、それさえある種の充実感が得られるものです。
上達するにつれ、体力は向上し、波に乗れるようになるとその楽しさには表現しようもない爽快感があります。波とシンクロしている時は、普段の悩み事や心配事が吹き飛び、マインドをクリアにしてくれます。一度これを経験してしまうと抜け出すのが難しい程です。
さらに、なんと言っても自然と触れ合うので、波に乗れなくて波待ちで浮いているだけでも、心身ともに癒されます。海の上から見るサンセットやサンライズは本当にきれいなので、それだけでもきてよかったと思えます。
陸地に囲まれサーフィンができない国やそのカルチャーがない国がたくさんある中で日本は世界でも有数のサーフィン人口が多い国です。サーフィンができる本当にきれいなポイントが日本全国にたくさんあり、実は恵まれた環境なのです。そう考えるとサーフィンって意外と身近に感じませんか?サーフィンが趣味になると、国内外のサーフトリップも人生の一つの楽しみになることでしょう。
そのうちに、サーフィン仲間ができたり、サーフカルチャーに触れたりして、ハマっていくと確実に人生がいい意味で変わると思います。
サーフィンはスポーツではなくてカルチャー、スタイルだという人もいますから、海の上だけでは語れない部分も多くあるのです。
でもなんだか敷居が高そう、怖い人が多そう、というイメージを持たれがちですが、意外とそんなことはなく自然と平和を愛する自由人サーファーもたくさんいます。
百聞は一見にしかず、のことわざの通りです。こればかりは、経験した人にしか分からない感覚なので、是非、お試しいただくことをおすすめしたいと思います。
2. 道具選びのすすめ
始めるにあたって、まず選択肢として道具を所有するか、レンタルするかというのがあります。
レンタルというのはサーフショップでのレンタルやスクールに参加するイメージで、やはりレンタルから試してみるのが無難だと思います。購入する前に、まずサーフィンを続けられそうかを判断するために数回スクールに行ったり、知り合いに教えてもらうといいと思います。
ボード
サーフィンの道具と言えばまずは、ボードですね。
初めてサーフィンをする方にしても、ブランクがあって再挑戦と言う方でも、おすすめしたいのは、十分な浮力とある程度の長さがあり安定しやすいボードです。
最初は波に揉まれながらのボードの取り扱いが難しく怪我をしやすいので、安全なソフトボードもおすすめです。
レジンとフォーム製のハードなボードよりも取り扱いが楽で、浮力が高めなので、初心者がサーフィンを始めるのに最適と言えます。
ロングボードも、波のコンディションを選ばずに楽しめるのと安定性の高さから、とにかく早く波に乗って楽しみたいという人に良いと思います。
浮力と長さのあるファーストボードで練習し、ある程度上達すると、直進するだけではなくターンをしたりするようになると思いますが、その際大きいボードを上手に操作するのに特有の技術が必要になってきます。
その段階になって初めて、どんなサーフィンのスタイルを目指すか、波を切るようにライディングするショートボーダーか、ダンスをするようにライディングするロングボーダーか、そのために適したボードは何かという疑問が湧き、本当の意味で自分に合ったボードを自分で選べる準備ができていると言えるでしょう。
リーシュコード
ボードと自分をつないでくれる命綱です。ボードが遠くに流れてしまうことを防ぐのは、自分のためだけではなく、同じ海を共有するほかのサーファーに当たって怪我をさせてしまうのを防ぐためであり、必需品です。中古のボードを購入される際には、ボードの状態の中でこのリーシュコード取り付け部分がしっかりしているか(本体と取り付け用部品の接着状態が良好であること)の確認も重要なポイントです。
ウェットスーツ
お住まいの地域によりますが、できれば冬用の5ミリ厚のフルを一枚、スプリング用のフルもしくはショートジョンを春夏用に一枚があると一応一年中サーフィンが楽しめる場合が多いです。
サーフィンを始める時期に合わせて必要なものから揃えるのがいいと思います。寒さと体温維持対策のためだけでなく、ある程度の浮力がありますので、泳力の補助、ワイプアウトした際の浮力の補助にもなりますし、切り傷や擦り傷からある程度は保護してくれます。
ワックス
ハードボードであればワックスが必要になります。
ソフトボードであればノンスリップ加工が施されているものもあるので、ワックスは不要となり、かなり楽なのでそちらもおすすめです。
ボードケース
強い日差しからの保護や、落下・転倒からの保護のため、ボードケースも用意して、大事にボードを扱うことで愛用のボードと長く付き合うことができます。
あと関連グッズとしては、ボードやウェットの海水を洗い流す真水を携行するための各種容器や、ウェットスーツ用のバック、ボードスタンドなどがあります。好き嫌いがありますが、足裏の安全対策としてブーツを用意することも検討すると良いと思います。岩や珊瑚、砂浜に落ちているガラスなどによる怪我を防いでくれます。地域によってはアカエイなど、万一の危険生物との遭遇も考えられますので、慣れるまでは使用してもいいと思います。
3. 最初の一歩を踏み出すには
現代は、ネット上で様々な情報を得ることができますが、準備段階はそれでいいとしても、いざ海に出るとなれば、様々な危険を想定しなければなりません。
まずは自分の通いやすいポイントと、その近くのサーフショップが運営するスクールを調べてみるのがいいと思います。
自然相手のことなので、怪我やアクシデントなどが起きた場合のことを考えなければいけません。サーフィンの基礎的なことがらや、マナーやルールなどはもちろん、地元のサーフスポットの雰囲気や周辺の情報や駐車スペースや、いざと言うときの医療環境など、ネットからだけでは得ることが難しい最新の情報が得られると思います。
ストレッチや縄跳び、ランニング、全身の持久力を高めるエクササイズなど、海に出る前のコンディション作りもサーフィン上達のためだけでなく、ケガや事故を未然に防いだりするめに大事なことなので、余裕があれば取り組むようにしたいものですね。
特に、サーフィンを始めたばかりの初心者の間が一番体力を必要とすると思います。慣れない海に入って、うねる水の力が加わる中でのボードの取り扱い、そしてパドリングやテイクオフまでの一連の動作の反復など、上達するにつれてだんだん無駄な力を使わないで済むようになるのですが、最初のうちはなかなかハードなものに感じると思います。
ただ、こういった努力の全てが、テイクオフからボードの上に立ってみた瞬間、嘘の様に爽快感と充実感に変わります。
これは本当にやってみた人にしか実感できない感覚であり、波乗りにのめりこむ第一歩となるに違いないと思います。
サーフィンは自然との対話を通じた自分自身の発見の連続です。体力作りだけでなく、メンタルにも単なる気分転換でなく、深く自分を感じ、自分を見つめ直すメディテーションのような効果も期待できます。新たな自分への挑戦であり、自分らしさを取り戻すための絶好のチャンスになると思います。
思い切って一歩踏み出してみると、新しい世界が広がると思いますので、夏の海が混雑するスーズンの前に、冬が終わって春を向かえるあたりが絶好のタイミングではないかと思いますので、是非チャレンジしてみてください。