サーフィン初心者必見!波の特徴別サーフボードの選び方
ひとえにサーフィンといっても、様々なライディングスタイルがあります。そして、そのスタイルに適したボード、波のコンディションも変わってきます。サーフィンを始めた初期の頃に目指すスタイルを決められるのであれば、上達も早いかもしれません。
今回は、波のサイズや波質も考慮して、サーフスタイルとそれに合わせたボード特性とのマッチングを考えながらボード選びについて考えてみたいと思います。
本来、波のサイズだけでなく、そのサーフポイントの特性やその日のコンディションによってボードの選び方は大きく変わってきますが、ここではこれからサーフィンを始めようとしている方・始めたばかりの方にもわかりやすいように、シンプルにまとめてみました。
1.サーフスタイルとボードの長さ
サーフスタイルは、一般的に、使用するボードの長さによって三つに大別されると考えていいと思います。
ロングボード、ショートボード、そして近年になってその扱いやすさや幅広い用途に対応できるため注目なのがロングボードとショートボードの中間的な特性を持つミッドレングスボード(ファンボード)など、サーフスタイルに適したボードがあります。最近では、ここにオルタナ系と呼ばれるボードもありますが、初心者の方が入門用として使うには少し特殊性が強いと思われますので、ここでは言及しないこととしたいと思います。
1.1.ショートボード (ハイパフォーマンスサーフィン)
一般的には6’4”(6 ft 4 inchi)までの長さのボードをショートボードと呼びます。(諸説あり)
細く、短く、薄いボードで、歴史の長いロングボードと比べると、かなり浮力が少ないのが特徴だと言えると思います。
鋭角的なターンや急激なカットバックなど、浮力の小ささによって得られるマニューバビリティ(操作性)の高さで、攻撃的でスピード感溢れる技を連続的に仕掛けることが可能です。
その反面、ロングボードに比べて浮力が小さくボード長が短いので、不安定になりやすく、さらに波を捕らえるのにある程度の体力と技術がいるので、乗りこなせるようになるには、慣れと技術的が必要です。そのため、初心者にはあまりおすすめしません。
1.2.ロングボード (優雅で余裕を感じられるスタイルサーフィン)
一般的には9’以上の長さのあるものをロングボードと呼びます。
長さだけでなく幅も広くボードの厚さもあることから浮力が高いのが特徴です。そのため、安定してボード上で立ち上がりやすく、波も圧倒的に捕らえやすいため、初心者の方でも比較的早く波乗りを楽しむことができるようになります。初心者の方がサーフィンを始めるのにおすすめです。
ショートボードのような操作性は期待できませんが、ゆったりとしたライディングを楽しむことができるのと、ブレイク前のうねりの状態でも十分に波をとらえることができるので、あまり波のコンディションを選ばないのもロングボードならではの魅力ではないかと思います。
ただし、重さと長さによる取り扱いの不便さを感じることがあるかもしれません。
1.3.ミッドレングスボード(ボード種類も様々、乗り方自由のスタイルサーフィン)
ショートが6’4、ロングが9’以上、というのが一般的認識ですので、ミッドレングスといえばその中間で6”4~9’の長さということになります。
この長さの中で、様々なシェイプ上の違いのものを選ぶことができるのがミッドレングスの特徴と言えるだろうと思います。
幅の広さ、フロント/テールロッカーの入り方、全体のシェイプ、厚さなど、同じ長さでもかなり感触の違いが楽しめるのもミッドレングスの魅力ではないかと思います。
もちろん、それぞれの特徴にあわせてよりロングボードに近い感触のあるものからショートボードに近いものまで広いレンジの選択肢がありますので、自分にとって好ましいものを選ぶことができます。初心者の方で、とにかく波乗りを楽しむことを優先とする場合は、より安定感のあるロングボードに近い感覚のものを選ぶといいと思います。ロングボードと比べると動かしやすいのに加えて、ある程度浮力があるので波を捉えるのもはやいでしょう。
波のコンディションに柔軟に対応して、ショートボードのようなパフォーマンスボードの感覚が欲しい方は短めで浮力の小さめなボードが向いているでしょう。ショートボード程に体力と技術を必要としないので、手軽に短いボードの感覚を楽しむのに良いでしょう。
2.ボードと波のコンディションのマッチングについて
2.1.小波(ももやひざの高さまで)
このコンディションではロングボードがその浮力の高さによる圧倒的な威力を発揮します。
ショートボードでもサーフィンは可能ですが、波を捕らえるためにはパドリングの力量やテイクオフまでもっていくための高い技術が必要になります。
ミッドレングスでも十分楽しむことができますが、ロングボードに比べるとスピードを得るために多少サーファーの力量が問われることになります。
このサイズでも、波の割れ方が安定していて掘れ方も十分な場合には、十分なパワーとスピードを得ることができるので、ショートボードでのライディングが可能ですが、サーファーの技量次第だと思います。
また、厚くてサイズの無いコンディションでも、潮の引いているときにはわずかに掘れ気味にブレイクすることが多いので、干潮の時間帯を見てみるとショートでもライディングできる場合があります。ただし、リーフブレイクなどの場合など、ポイントの状況をよく知っておかないと、思わぬところでリーフが顔を出したりすることがありますので、十分な知識と注意が必要です。
基本的にこのサイズの時は、無理せずロングボードを選ぶことをおすすめします。
2.2.中波(腰上から胸くらいの高さ)
このあたりから、浮力が高いために波の力を受けて押し戻されやすいロングボードでのパドルアウトに関しては、波の間隔を掴んでタイミングよく素早くする必要が出てきます。もちろん力量のあるロングボーダーならばスムーズなパドルアウト、十分に波のパワーを活かしたライディングが可能です。
ミッドレングスがまさに威力を発揮するのがこのあたりだと思います。浮力による安定性が得られながらも波をかわしながらのパドルアウトが比較的容易で、波のサイズによるパワーを活かしたライディングも楽しむことができます。特に波が厚くて重い場合には苦戦するショートボーダーを尻目に余裕でテイクオフまで持っていくことが可能です。
ショートボーダーでは、テイクオフまでもっていく技術と力量の差がハッキリと見えてきます。ショートボードのハイパフォーマンスぶりを発揮できるかどうかはサーファー次第というのがこのあたりのサイズでは多く見られると思います。
このサイズでもコンディションが厚めの遅い波である場合や、オンショアの風(海から陸無期の風邪)が吹いていたり、満潮に向かって潮が満ちている時間帯には波の掘れ方やブレイクの仕方が緩やかになりますので、タイミングによってはロングボード向けの波もあります。
2.3.大波(胸以上)
ここからがショートボードの出番と言えるでしょう。
もちろんサーファーの技量次第ですが、ボードの浮力による安定性を期待する段階のサーファーでは、ロング、ミッドレングスでパドルアウトすることが難しくなってきます。このあたりのサイズですと、ビーチブレイクは避けたほうが無難で、ポイントブレイクの中でのパドルアウトを考えるのが妥当だと思います。
また、胸以上でオーバーヘッドサイズとなると浮力が小さく、ロッカーの強いショートボードでも十分なスピードと揚力を得ることができるようになるので、ここからがハイパフォーマンスショートボードの魅力の発揮しどころと言えると思います。
ロングボードでも大波用のボードで、サーファーも十分な技術があればライディングは可能ですが、初心者には不向きだといえると思います。
まとめ
ボードの特性と波質との相性はあくまでも原則的なことで、サーファーの技術やポイントにおける波のコンディションによっては本来不向きな状況でも十分にライディングは可能です。
一般的な波のコンディションを考えると、ミッドレングスがいかに幅広いニーズを満たす選択肢であるかが見えてくると思います。サーファーの力量を補う浮力、波のコンディションに対する柔軟な対応力、取り回しの楽さという点で、初心者が選ぶボードとしておすすめできます。
もちろん競技としてのサーフィンに関心があって、比較的海に出るチャンスが得やすいとか、時間が自由になるなど、サーファーの置かれた環境や目指すサーフスタイルによっては選ぶべき選択肢は変わってきます。
まずは自分の目指すサーフスタイルを絞って、それにあったボード選びをするのが重要なポイントではないかと思います。