サーフィン初心者必見!サーフボードのロッカーを理解する
いくつかのサーフボードを見比べたときに、長さの違いはもちろんですが、ボードのそり具合、つまりロッカーの違いに気づかれる方は多いと思います。
ほぼフラットでロッカーの反りをあまり感じないボードがあれば、強めのロッカーを感じるものもあります。ロッカーとはどのような役割を果たしているのでしょう?
今回はビギナーにも分かりやすいようにロッカーの役割と、その違いがサーフィンのライディングスタイルにどう影響するのかを考えてみたいと思います。
1. サーフボードのロッカーとは?
サーフボードを見ると、どんなボードでも先端が水面から離れる方向の反りがあって、また重心よりも後ろあたりからも先端と同様に後方に反りが入っているのに気づかれると思います。この反りのことをロッカーといいます。先端のものをノーズロッカー、後ろの方のものをテールロッカーといいます。
ロングボードとショートボードを見比べてみると、一般的にショートボードの方が反り具合が強く、ロングボードのほうがよりフラットなものが多いと感じると思います。
その長さと形状、特にロッカーの入り方の違いが、ボードの安定性や、回転性能の違いによる操作性、テイクオフのしやすさ、揚力の大きさの違いによるボードスピードに大きな違いをもたらしていて、それらの結果としてライディングスタイルや、適した波の違いがあります。
それではロッカーとボード性能との関係について詳しく見ていきましょう。
2. ノーズロッカーとテールロッカー
ボードの先端部分の反りをノーズロッカーといいます。
ノーズロッカーがあることで、ボードの先端が水面から離れるので、パーリングを防いでいます。ライディングの最中ばかりでなく、パドリングのときにも同じ働きをします。もしノーズロッカーがなくフラットだとしたらボードの先端は簡単に水没し、パーリングが多発することになるでしょう。
ライディングにおいては、レールを波に食い込ませてターンなどのレール操作をするときに、角度のある堀の深い波の中でも、先端が引っかかるのを防ぐので、方向を変えるときのボード操作が楽になります。
ボードのテール部分の反りをテールロッカーといいます。
ライディン中のフットスタンスの特に後ろ足や前足によるボード操作の際の回転性能に影響します。ロッカーが強いほどクイックなターンが可能で、レールを波に食い込ませたときの操作性が高くなります。
感じ方として、回転性の高さ、操作の軽さとして感じることが多いと思います。
3. ロッカーの強いサーフボードの利点・欠点(合う波)
利点
鋭いカットや鋭角的なターンが可能で、サイズのある掘れた波でもノーズが水面から離れるのでパーリングしづらい。結果的に操作性の高さと操作の軽さとして感じると思います。
欠点
底面の節水面積が小さくなるため、発生する揚力が小さいのでボードスピードが上がりづらく、直進性能が低いので不安定になりがちです。
テイクオフの際に波がボードを押し出す力を受けづらく、パドリングによる推進力を得づらいので、ボードスピードがあがりづらく、テイクオフにはボードコントロールの技術と強いパドリング力が必要になります。
結果的に初心者や、力の弱い波には不向きで、ある程度の技術のあるサーファーで、サイズのある掘れた波に適しているといえると思います。
一般的に、初心者や弱い波には、程よい弱めのロッカーがある普通のロングボードが適していると言われます。
ロングボードは、安定した直進性と大きな浮力があるので、初心者でもテイクオフがしやすく、小さな力のない波やブレイクのないうねりの状態でも波を捕らえることができます。
4. ロッカーの違いを表す代表的なボードタイプ
ロッカーとボードの機能性のわかりやすい例として、ハイパフォーマンスショートボード、ビッグウェイブ用のガン、一般的なロングボードをあげてみたいと思います。
ロッカーが強く、長さの短いハイパフォーマンスショートボードは高い操作性がありますが、ある程度パワーのある波で、一定技術のあるサーファーでなければ、その持ち味を生かすことは難しいです。
また、程よいロッカーの一般的なロングボードは、安定した直進性と大きな浮力があるので、初心者でもテイクオフがしやすく、小さな力のない波やブレイクのないうねりの状態でも波を捕らえることができます。
ですが、サイズのある掘れた波の中ではテイクオフできたとしてもワイプアウトしてしまいやすく、さらにターンやカットをしたりするのは特有の技術を必要とします。
同じ長いボードでもビックウェイブ用の“ガン”はノーズとテールに強めのロッカーが入っていて、速くて掘れた大波の中でのテイクオフに適していて、ターンなどの操作性も備えています。
まとめ
以上のようにノーズロッカーによってパーリングを防いでいるだけではなく、ノーズとテール部分のロッカーのはいりかたによって、ボードの操作性が大きく変わります。
ボードロッカーの大小によって、ボード性能に一長一短があるのは避けられないことですので、それぞれの技術レベル、好みの波コンディションやライディングスタイルにあったロッカーのボードを選ぶのが大事だと思います。