コストコ サーフボードって実際どう?(2021年モデル) ソフトボードメーカーが解説するメリット・デメリット
最近YouTubeやブログでよく紹介されているコストボードについて、気になったので調べてみました。品質や価格、実際どうなの?というところをソフトボードメーカーならではの観点を踏まえて解説します。
1. コストコ サーフボード(Wavestorm)の種類
コストコボード、コストコサーフボードの名前で親しまれているサーフボードはWavestormというブランドのソフトボードです。
コストコ オンラインで、今、実際に手に入るのはこちら。
Wavestorm ソフトボード 5.8 ft: コストコ公式サイトより引用
Wavestorm の5.8 ft(約172cm)のものだけでした。価格は税込み22,400円とサーフボードとしてはかなりリーズナブルです。
英語サイトですが、Wavestormの公式サイトを見ると、本来この“Wavestrom”ラインには9 ft、8 ft、7 ft(いずれもフィンは3枚の仕様)という長さがあるようです。
Wavestormラインナップ: shop.agit-global.comより引用
Wavestormにも外国への発送可否については問い合わせてみましたが、まだ返事がありません。おそらく海外発送は望み薄でしょうし、仮に発送可能であったとしてもボードのサイズや重量を考えるとかなり料金が嵩みそうですので、日本国内で購入できるものに絞ったほうがよさそうです。
個人的には、コストコが近くにあるのであれば、店舗で購入することをおすすめします。送料を引いた価格で購入できるので、5.8 ftの長さだと1万円以下という破格でゲットできます。目から鱗です。
ちなみに、『コストコ通』という掲示板がありましたので、そこでのコメントの動きを見てみたのですが、このところ各店に在庫が入るとかなり早いタイミングで売れてしまう様子です。やはり人気の高さを物語っているように思われます。
2. コストコ サーフボードのメリット
2.1. コスパの高さ
なんといっても、2万円台で新品のボードとリーシュコードまで一式がそろうという経済性は最も魅力的なポイントです。世界的にみても破格だと言えます。
品質も安かろう悪かろうではなく、主なターゲット層と思われる初心者サーファーにとっては十分なスペックかもしれません。
また、ほとんど全てのソフトボードに言える事ですが、取り扱いが楽で、波のコンディションが悪くても楽しめて、安全性に優れています。
2.2. 取り扱いが楽
ハードボードよりも、ぶつけたり、こすったりしたときのひびや割れや凹みにあまり神経質にならずにすみます。多少ぶつけたり、こすったりしてもすぐにリペアが必要になるようなこともなく、取り扱いやすいのもいいところです。こまかな傷やこすれを気にしなければ専用のボードケース無しでも大丈夫ですが、やはり長く大事に使いたい場合はボードケースを用意するほうが安心だと言えると思います。
2.3. 波のコンディションが悪くても楽しめる
浮力が大きいので、安定性が高く、波がブレイクしない状態や、うねりにでも、数回のパドリングで乗ることができるくらいに波を捕えやすいです。初心者の方が波を捕まえる感覚を覚えたり、立ち上がるまでの動作を覚えるのにも良いと思います。
2.4. 怪我しにくい
柔らかいフォーム+ソフトフィンなだけに、当たっても比較的大きな怪我になりにくい。これは案外初心者の方には重要なポイントだと思います。だからといって危険回避の安全な乗り方をしなくていいというわけではなく、あくまでも万一の場合には、ということです。
3. コストコ サーフボードのデメリット
3.1. 急激なボード操作が難しい
急激で回転半径の小さなターンはもちろん、カットバックなどは、かなり極端な体重移動とともにレールとフィンを波に食い込ませなければなりません。
コストコボードはその浮力の大きさやボードの形状、弾力性ゆえに、急激なボード操作をする時に、逆にかなり熟練したテクニックと慣れが要求とされます。
実際にボードの長さが長くなると、ハードボードと比べて海水面にへばりつくような感覚があります。
鋭いターンをしようとしてノーズを持ち上げたり、レールを立てたりして波に食い込ませようとすると、ボードが粘って重くしなるような独特の感触があって、ハードボードで得られるような急激なボード操作に対する反応を求めるには不向きだと思います。
3.2. 耐久性
表面のプリントコーティングやボトムの仕上げ材などで波乗りに十分な強度と耐久性を確保していますが、公式サイトを確認する限りでは、中のフォーム部分と表面のコーティングのみで構成されたかなりシンプルな構造です。
shop.agit-global.comより引用
そのシンプルな構造により重量もかなり軽く、通常のハードボードや経験者用に人気のソフトボードに比べると、強度と耐久性は高いとは言えないと思います。
刺し傷や切り傷などが下のフォーム部に届くような場合、そこから内部のフォームに海水が浸透して腐食が進んだり、重くなったりする可能性があります。ソフトボードである以上ハードボードのような完璧なリペアは難しいので、そういう意味では注意が必要です。
また、一度表面のコーティングが劣化するとボード内部のフォームの劣化に直接結びつきますので半永久的な耐久性を望むべきものではないと思います。
4. おすすめするサーファー
4.1. これからサーフィンを始める人
これからサーフィンを始めようとする方には、ハードボードを買う前の入門用として最適なボードだと思います。現在コストコオンラインで入手可能なものはボード長が172cmとなっていますので、一般的に初心者用といいがたいものがありますが、実店舗ではロングボードサイズのボードが送料を抜いた価格で購入できます。
4.2. メインボードを持っている人のセカンドボードとして
実際にポイントに着いてみたらば、コンディションの良し悪しにかかわらずサーフィンを楽しみたいものですよね。小波や小さなうねり程度しか無い日も少なくはないものです。
そういうときのためのセカンドボードとして、お手軽価格のものをお探しの方にもおすすめできます。ショートボードでもハードのロングボードに近い浮力が感じられます。せっかくポイントまで足を運ぶのですから、あまりコンディションの良くない状態でも波を捉えやすいこのボードでサーフィンを楽しむことができると思います。
ソフトボード特有の浮力と壊れる心配をせず思いっきりサーフィンをしたい方で、もっとボード操作性に長けたボードが欲しい方、従来のソフトボード特有のふわふわした乗り心地では満足できない方は、Beach Access のソフトボードもチェックしてみてください。→こちら
Beach Access のソフトボードは、表面はソフト素材ながら、中身は通常のEPSハードボードと同じ構造のため、従来のソフトボードとは違い、ハードボードに近い乗り味を実現しています。
つまり、ソフトボードとハードボードの良いところをあわせ持つボードとなります。テクノロジーの詳細はこちらです。
Beach Access ソフトボードの構造
まとめ
以上のように、コストコボードは、コスパに長けており、サーフィンの入門用のボードとして優れた点が多くおすすめのボードです。特に、海水浴に行く際にちょっとサーフィンをやってみたい方には十分なボードだと思います。
また、既にメインボードを所有していて安くセカンドボードを購入したい方にもお進めできるボードだと思います。