サーフィンは、ボード1枚で気軽に波乗りしているように見えて、意外とたくさんのアイテムが存在します。

最初はどれほどのめり込めるのかもわからないと思うので、賢く徐々にアイテムを揃えることをおすすめします。ここでは、これだけあればサーフィンが始められるアイテムとあったほうがいいアイテムに分けて、それぞれのアイテムの役割やティップスを踏まえて詳しくご紹介します。

1. 必須アイテム5選

1.1. サーフボード

これからサーフィンを始めようと思う人が最初に考えるのがサーフボード選びだと思います。自分に合ったサーフボードを選ぶのはとても大事なことです。自分の体格、レベル、目指すスタイルに合ったものを選ぶことで、よりスムーズな上達が期待できるからです。

ショートボードでダイナミックなテクニックを楽しむことを目指すか、それともクラシックスタイルなロングボードでゆったりと波に乗った感覚を楽しむことを目指すか。それぞれのボードに特有のライディングスタイルがあって、ここが最初に一番迷うところだと思います。

初心者の方であれば、よっぽど体力に自信のある方もしくは絶対ショートボードに乗りたいという意思のある方を除き、ミッドレングス以上の長さのあるボードをおすすめします。最初は波のパワーを受けやすい浮力のあるロングボードで、波に乗る感覚を覚える、楽しさを体感することが継続・上達のかぎです。

費用面や安全面を考えると、今流行りのソフトボードもおすすめです。

ここではもう少し詳しく、ショートボード、ロングボード、その中間に位置するミッドレングス(ファンボード)、今主流となっているこれら3タイプのボードとそれぞれのライディングスタイルの特徴を挙げてみましょう。

  • ショートボード(ボード長がおよそ 6ft/182cm 以下)

軽くて、操作性が高く素早いボード操作への反応がよいので、波の頂上や底部に近い位置でのボード操作がしやすいため、水しぶきをあげるような派手な技を決めることも可能です。

競技としても最も盛んであり、競技人口が多いのが特徴です。

初心者やロングボーダーでショートボードに挑戦したいと思う方も多いと思いますが、最初はテイクオフ時に足が前に出ない、パドリングが安定しないなど悩みが生じるものです。まずは安定性の低い短いボードに慣れるために、ハードボードより浮力のあるショートのソフトボードで練習することもおすすめできます。

ショートボード

  • ロングボード(ボード長がおよそ 9ft/274cm 以上)

クラシックなタイプのボードで、長さと幅があるため比較的浮力が増し安定していて、パドリングも楽です。よって、ボードスピードも得やすくテイクオフしやすいため、小さなうねりでも波乗りが楽しめます。

浮力が大きい分、比較的に重量が重く、ショートボードのような波のボトムやトップなどでの操作性は低くなります。そのため、ボードの上をウォーキングしたりステップバックすることによって大きな板を動かすロングボード特有の技術が必要になってきます。

ロングボード

  • ミッドレングス(ボード長がおよそ 6ft/182cm~9ft/270cm)

ショートボードとロングボードの中間のタイプです。形状はロングボードのように丸いノーズを持ったものもあれば、多くのショートボードのようにノーズのとがったものなど様々なタイプがあります。

特徴的にはロングボードに近く、ロングボードの安定性と波の状態を選ばない利便性を持ちながら、サイズや重量的にややコンパクトになったものと考えるとよいと思います。ショートかロングか迷いかねている初心者の方にも最適で、ショートボーダーがセカンドボードとして持つこともあります。

以上のようにボードの長さをおおよその基準としてタイプを分けていますが、厳密な規定があるわけではありません。乗りごごちという面において、特徴的に分けるのは浮力の大きさだと考えてよいと思います。

 

1.2. フィン

ボードの形状が決まったら、次に考えるのはフィンです。フィンの数によって直進性や回転性、波への食いつき方、安定性やターンの角度など、ボードの特性が変わりますので目指すサーフィンスタイルに合ったものを選ばなければなりません。

とはいえ、初心者のうちはテイクオフがやっとで、自分に合ったフィンがわからないものなので、ボードに合ったフィンが付いてくるサーフボードを選ぶと良いかもしれません。ハードボードではフィンつきは珍しいですが、ソフトボードであれば基本的にもれなくフィンがついてくるはずです。

ここでは、フィンの数とボード特性について簡単にご説明します。

  • シングルフィン

大き目サイズの1枚フィンでのセッティングで、高速な状態での安定性や直進性が高く、ターンの角度が大きくなります。通常ロングボードで使われるもので、ショートボードではあまり使用されません。

センターフィン

  • ツインフィン

センターフィンがなく、左右両サイドのレールに近い位置についている大きめの2枚フィンのセッティングのことです。重心移動に対する反応が速く、素早く小さな回転半径でのターンがしやすいです。その反面、高速における安定性に欠け、波に対して垂直なアタックが難しいところがあります。小さめの波での、ボードを激しく動かしながらの素早い操作に適しています。

ツインフィン

  • トライフィン

センターフィン1枚と左右両サイドのレールに近い位置にサイドフィンと、合わせて3枚あるフィンセッティングです。トライフィンは波への食いつきがよい分ツインフィンに比べると操作性は劣ります。しかし、高速時における安定性とターンをするときの反応の良さという、相反する要素を同時に満たすバランスのとれたボード特性が得られます。波に対して技を仕掛ける場合でも水平、垂直両方向のアタックが可能です。波のサイズやコンディションにも幅広く使用できて、初心者から上級者までのニーズに対応しますので、最もポピュラーなフィンセッティングだと言えるでしょう。

トライフィン

  • クアッド

左右のレール寄りに大きなサイドフィンと、それらよりも後方で左右対称の位置に小さめのフィンと合わせて4枚のフィンセッティングです。トライフィンとツインフィンの特性を合わせもち、直進性と回転性を高いレベルで得ることができます。さらにフィンの形状や材質の硬軟などによっても、ボードの特性に変化があります。  

クアッド

 

1.3. リーシュ

ボード選びの次は自分とボードを繋ぐリーシュコードを準備します。サーフボードとサーファーの足を繋ぐ大事なアイテムです。波でボードがサーファーの体から離れてしまうことがあります。遠くに離れてしまったボードを追うのが大変だということだけでなく、コントロールを失ったボードがほかのサーファーや海に入っている人を傷つけてしまう場合がありますので、必ず着けるようにして下さい

長さはボードの長さとほぼ同じかそれより少し長いものが一般的に最適と言われています。短すぎるとボードが自分に跳ね返ってきて怪我をすることがありますし、長すぎると離れてしまったボードを捕まえるのが大変になりますし、周囲の人を傷つけてしまう場合がありますので、適切な長さのものを選ぶようにしましょう。

海から上がったときには必ず潮水を洗い流したあと、よく乾燥させて、サビや腐食などの劣化から守るようにしてください。ボードと違って、リーシュコードは消耗品として考えてください。交換の目安は1年くらいだと思っていただいて、もしそれよりも前に経年変化による劣化や破損などが確認できたときには新しいものと交換して、自分と周囲の人の安全を確保するように心がけるのが望ましいと思います。

 

1.4. ワックス

海の中でボードを扱うのに欠かせないのがワックスです。ライディング中だけでなくゲッティングアウトで腹ばいになったとき、テイクオフで手をつくとき、波待ちをするとき、手や足を滑らせてしまわないようにするのに必要なアイテムです。

ワックスはベースワックスとトップワックスの2種類を使用するのがスタンダードになっています。まず、硬めでトップワックスをつきやすくする役割のあるベースワックスを塗った上に、トップワックス(季節や水温に合わせたもの)を重ねて塗ります。

ワックスもこれといった決まりはなく、慣れてきたら自分の好みのワックスの塗り方に調整するといいと思います。

取り扱い上の注意として、ワックスは熱に弱いので夏の時期や置き場所が直射日光にあたっていると溶けて変形してしまうこともあるので、気温が高くなるシーズンは特にケースに入れて日陰の涼しい場所に置くように心がけることが必要です。 

また、ソフトボードで、表面に特殊加工を施しているものであればワックスは不要の場合があります。

 

1.5. ウェットスーツやラッシュガード

サーフィン用のウェットスーツは季節に応じて海水温や気温などに合わせた種類があります。

スプリング(半そで半ズボン)、シーガル(半そで長ズボン)、フル(長袖長ズボン)、ロングスプリング(長袖半ズボン)、セミドライ、ドライスーツなど、季節とポイントの状態に合わせたタイプと素材を選びます。

種類はたくさんありますが、全てそろえる必要はなく、よく行く海の海水温や気温に合わせて1年で1番長く使えそうなものやサーフィンしたい時期に適切なものから手に入れると良いと思います。

また、夏の時期には日焼け防止やすり傷から体を守るためのラッシュガードやTシャツを着用するのが望ましいと思います。

最近のウェットスーツは、身体に合ったスーツであれば、日本の真冬でも普通に数時間続けてサーフィンできてしまうほど優秀です。

冬用のブーツのほかにも、ポイントが岩盤やサンゴ礁である場合リーフブーツを履くのが安全です。

 


2. あったほうがいいアイテム

2.1. ボードケース

移動中や保管中のボードの保護のためにそろえておきたいアイテムです。ワックス塗布作業などのときにはボトム面の傷防止のために敷物としても利用可能です。

2.2. 日焼け止め

日焼けによる過剰な紫外線は皮膚ガンを引き起こす可能性があります。できる限り予防やケアを心がけましょう。

2.3. サーフポンチョ

外でウェットスーツに着替える際にあると理想的です。季節に応じて保温性や吸湿性などに優れたものがあると便利です。

2.4. ウェットバケツ

サーフィン後、ウェットスーツについた潮水と砂を水で洗う時にあると便利です。また、帰りは濡れたウェットスーツ、フィン、リーシュなどを入れて持ち帰ることができます。

2.5. ポリタンク・ポータブルシャワー

シャワーがないポイントへ行くときは、ポリタンクに水を入れて持参するのが一般的です。潮水による身体のベタつきやアイテムの劣化を防ぐため、できる限り早く水で洗っておくことをおすすめします。利便性を求める方でポータブルシャワーをそろえるサーファーもいます。

2.6. ボードスタンド

ボードにワックスを塗る時や水洗いの時にあると便利です。折りたたみできるものや高さ調節のできるものなど、自分の使い方にあったものを選びましょう。

2.7. 波情報アプリ

海に出る前に波、風、潮の流れの状態などを知っておくことは大事です。アプリを使えば、簡単に波のコンディションや混み具合を確認することが可能で、自分の技術に合わせたポイントを選ぶのにとても便利です。

2.8.ワックス用スクレーパー/リムーバー

汚れたり、季節に合った硬さのワックスに変えるため、ワックスを塗り替えたいときには、今塗られているものを剥がします。まずスクレーパーでボードに傷をつけないように注意しながら丁寧にワックスを落としたら、仕上げでリムーバーを使ってきれいに溶かして落とします。