通常の硬いサーフボードよりも取り扱いが気楽で、様々な海のコンディションに対応し、初心者から上級者までの幅広いサーファーの要望にこたえてくれるという、いいこと尽くめのソフトボードですが、そんなオールランドに便利なボードだからこそ大切に、使って少しでも長く乗っていたいですね。

柔らかくて、浮力が大きいというのがソフトボードの特徴的な利点ですが、表面が柔らかいスポンジと似たフォーム素材で覆われているので、それゆえに取り扱い上注意したい点があります。

基本的には、ある程度雑に扱ってもそうそう壊れることはありませんが、長く綺麗に使いたい方向けに、ソフトボードだからこそ注意したい、取り扱い上の注意やお手入れについて、いくつかのポイントをご紹介してみたいと思います。

1. 取扱上の注意点

1.1. 移動時の注意点

表面素材が柔らかいので、通常の硬いサーフボードのようにぶつけるとすぐにヒビが入ったり、凹みができてしまうわけではないのですが、先の尖った鋭いものなどにぶつけると、穴が開いたり、削れたりしますので注意が必要です。

きれいに使いたい方は、傷や凹み防止のためのサイズに合わせたカバーを用意するのがいいと思います。

また、車のキャリアに積む場合にも、細いストリング状の紐よりも幅広のベルト状のタイプのもので固定したり、パッドなどのあてものを使ったりすると跡がついたり凹んだりすることを防げます。

素材が柔らかいので、小さな面積に圧力が集中すると、凹みや跡となって残ってしまうことがありますので、気になる方は注意が必要です。

案外見落としがちなのが、表面素材が柔らかいので吸水しやすいということです。海から上がって十分乾かしたつもりでも移動中に水が出ることがあります。

基本的には、防水カバーを使用することで水が垂れるのを防げますが、心配な方は、タオルや大き目のセーム皮などをボードカバーの中に入れておくこともおすすめできます。

 

1.2. 使用後の注意点

表面の海水を真水で綺麗に洗い流すことと、ボードが吸ってしまった水分をできるだけ残さないようにすることを心がけましょう。(寒い時期には温水シャワーの設備のあるところでは、つい温水を使いたくなりますが、ボード表面の劣化を早めますので高温の水は避けてください。)

通常の硬いボードにも言えることですが、海水は表面のプリントや素材の劣化を早めてしまいます。海から上がった後、常温の真水で綺麗に表面の海水を洗い流して、表面に残った水分もタオルでふき取るようにしましょう。

海水を洗い流したら、日陰に立てかけてボードが吸った水分をできるだけ吐き出させましょう。直射日光はできるだけ避けてください。水分を含んだままにしておくと、吸水性のある素材の劣化を早めます。

その際に、ボードが倒れてしまうことのないように転倒防止には十分注意してください。専用のボードラックもありますので、できれば用意しましょう。

家に着いた後は、ボードを日陰の風通しのいいところで乾燥させるようにしてください。強い直射日光を当てて乾燥させるのは、ボードの劣化を早めますのでできるだけ避けるようにしてください。

注意したいのはフィンやリーシュコードをつなぐカップ周辺です。着脱式のフィンはできるだけ取り外して、丁寧に砂や海水を流すのが理想的です。少し面倒ですが、このひと手間をかけることでボードの寿命は長くなります。

 

2. メンテナンスの仕方

2.1. ワックスの塗り方・落とし方 

最近では、表面仕上げに工夫を施したワックス不要のソフトボードも出ていますが、普通のソフトボードであれば、基本的には、ハードボードと同様にワックスがけをします。

素材の性質上、ワックスを一度塗ると完全に綺麗に落とすのは難しいので、気になる方はワックスシートのようなタイプのもので、適度なサイクルで張り替えるのが望ましいと思います

とはいえ滑り止めとしてのパフォーマンスでは、やはり通常のワックスのほうが上回ります。

それでは、ワックスがけをする場合についてお伝えします。ソフトボードの表面はライディングに必要なほどのグリップはないものの多少でこぼこしています。そのため、通常のハードボードと違ってワックスがけはトップコートだけで十分ですし、軽くかける程度で十分な場合が多いです。

激しいアクションをしたい場合は好みに合わせてワックスがけしてください。ソフトボード専用のワックスがあり、そちらの方が塗りやすいのでおすすめです。

ワックスを落とす時は、一般的なグラス用のワックスリムーバーを多様するのは控えた方が良いと思います。素材によってはボードの表面まで溶かしてしまうことがあります。

おすすめは、「PICKLE」というワックスリムーバーです。日本語でピクルスという意味で、見た目もピクルスっぽくて可愛いアイテムです。中に白い粉が入っていて、こすると白い粉が出て消しゴムのようにワックスを絡めとります。

    ワックスリムーバー

amazon.co.jpより引用

 

軽くワックスがけして使用していれば、海水や日光でいい感じに溶けるので、汚れも少なくワックスを落とす作業を頻繁にせずにすみます。

個人的には、ワックス不要のソフトボードが本当に楽でかつ綺麗にボードを保てるのでおすすめです。

 

2.2. 傷ついた際のリペア方法

海から上がって海水を洗い流したら、傷がないかをチェックすることをおすすめします。

最近はソフトボード用のリペアキットがありますので、それを使用して、傷が小さなうち修繕してください。リペアしないまま海に入ってしまうと、そこから内部に水分や塩分が浸透しボードの痛みを酷くしてしまいます。できるだけチェックして、傷ついた部分を見つけたら修繕してから海に入るようにしましょう。 

        リペアキット

solarez.comより引用

 

ボードの理想的な保管場所ってどこだと思いますか?それはあなたが普段生活するお部屋です。人のいる部屋ですから、換気や、温度管理も人が快適に暮らせる環境にあるはずなので、ボードにとってもいい環境であるのが一般的です。もちろん、直射日光やエアコンの風が直接当たらない場所でソフトケースに入れて専用ラックで保管するのが一番良い状態だといえると思います。身近にあると、小さな傷や凹みなどボードの痛んだ箇所を見つけやすいという利点もあります。 

とはいっても、ボード自体の大きさや、部屋の大きさなどからそれが難しいことも多いので、これまでの注意点を参考にしていただいて、できるだけいい状態でボードを保管し、手入れができれば十分だと思います。それではお気に入りのソフトボードでたくさん波乗りを楽しんでください!