この記事のポイント: - ウェットスーツの種類別の特徴と選び方を詳しく解説 - 季節や用途に応じた最適な選択方法を紹介 - 実際の着用シーンを想定した実践的なアドバイス
記事を書いたヒト
nanazero編集部

ビーチアクセス編集部 - サーフボードの専門編集チーム。国内外のサーフィンインフルエンサー、プロサーファーと連携し、最新のトレンドや技術を追求。サーフボードの設計・製造に携わる専門家を含む多様なメンバーで構成されており、幅広いユーザーに価値ある情報を提供しています。

監修
ヒガシーサー

ヒガシーサー - サーフィン歴20年以上。ブログ歴15年以上。オーストラリア発の科学的サーフィンメソッドを学べるオンラインスクール「コレクトサーフ」のアンバサダーを務め、40代から科学的にサーフィンが上手くなる方法をSNSで発信。初心者〜中級者が楽しめるサーフボードの設計や開発にも携わる。Instagram フォロワー数 35,000人、YouTube登録者数 17,000人。

サーフィンを楽しむ上で、ウェットスーツは必要不可欠なアイテムです。この記事では、各種ウェットスーツの特徴や使用シーン、選び方のポイントを詳しく解説します。初心者の方から経験者まで、最適なウェットスーツ選びの参考にしてください。

ウェットスーツの種類

フルスーツ、スプリング、ロングジョンの3タイプの特徴を比較

1. ウェットスーツの基本知識

監修者からのアドバイス:
「ウェットスーツは単なる防寒着ではありません。体温維持による疲労軽減、紫外線対策、怪我の防止など、サーフィンをより安全で快適にするための重要な装備です。初心者の方は特に、保温性を重視して選ぶことをおすすめします。」

ウェットスーツの仕組み

ウェットスーツの構造図

ウェットスーツ保温の仕組み

ウェットスーツは以下の仕組みで体温を維持します:

  1. 体と素材の間に薄い水膜を作る
  2. その水を体温で温める
  3. 温められた水が断熱材として機能
  4. 新しい水の侵入を最小限に抑える
重要ポイント:適切な選択のための3つの基準
  • 水温と気温に合わせた厚み選び
  • 活動レベルに応じた素材選択
  • 体型に合わせたサイズ選択

厚みの基準と水温の関係

水温 推奨される厚み 適したタイプ
25℃以上 1-2mm スプリング
20-25℃ 2-3mm スプリング/ロングジョン
15-20℃ 3-4mm フルスーツ
15℃以下 4-5mm以上 厚手フルスーツ

2. フルスーツの特徴と選び方

フルスーツの種類と特徴

バックジップ、チェストジップ、ノージップの違い

実践的なアドバイス:
「初心者の方は、着脱の容易さからバックジップタイプがおすすめです。慣れてきたら、水の侵入が少ないチェストジップタイプへの移行を検討してみてください。」

フルスーツのタイプ別特徴

タイプ 特徴 適した使用者
バックジップ ・着脱が容易
・価格が比較的安価
・水の侵入はやや多い
初心者、体が硬い方
チェストジップ ・水の侵入が少ない
・動きやすい
・着脱にコツが必要
中級者以上、柔軟性のある方
ノージップ ・最も水の侵入が少ない
・高い運動性能
・着脱が最も難しい
上級者、競技志向の方

フルスーツの選び方チェックリスト

基本フィット感

  • 立った状態で違和感がない
  • 素材が均一に密着している
  • 特定の部分に強い圧迫感がない

動作チェック

  • 腕を上げて突っ張りがない
  • しゃがんでも窮屈さがない
  • 深呼吸ができる

細部の確認

  • 首周りの締め付けが適度
  • 手首・足首の締め付けが適度
  • ファスナーの動きがスムーズ

3. スプリングの特徴と選び方

スプリングスーツの特徴

スプリングスーツの主な特徴と使用シーン

監修者からのアドバイス:
「夏用のスプリングスーツを選ぶ際は、紫外線対策も考慮に入れましょう。長袖タイプは日焼け防止にも効果的です。また、サーフィン以外のマリンアクティビティにも使いやすいのが特徴です。」

スプリングスーツの使用シーン

シーズン 気温/水温 おすすめの種類
真夏 28℃以上/25℃以上 半袖スプリング
初夏/晩夏 25℃前後/22℃前後 長袖スプリング
春/秋 20℃前後/20℃前後 フルスーツ推奨
スプリングスーツ選びの重要ポイント
  • 夏場のメインスーツとして使用する場合は薄手(2mm)を選択
  • 春秋の短時間使用なら中厚(3mm)も検討
  • 日焼け対策の必要性に応じて袖丈を選択
  • 激しい運動をする場合は、やや余裕のあるサイズ感を

4. ロングジョンの特徴と選び方

ロングジョンの特徴

ロングジョンとタッパーの組み合わせ例

監修者からのアドバイス:
「ロングジョンの最大の特徴は、腕の動きの自由度が高いことです。タッパー(長袖や半袖ジャケット)と組み合わせることで、気温や水温の変化に応じて調整できる点も大きな魅力です。」

ロングジョンの活用法

使用スタイル メリット 適した環境
単体使用 ・最大の運動性能
・涼しい着用感
・着脱が容易
・水温20℃以上
・晴れた暖かい日
・短時間の使用
タッパーと併用 ・温度調節が可能
・紫外線対策
・長時間の使用に適する
・水温15-20℃
・気温の変化が大きい日
・長時間の使用

サイズ選びのポイント

  • ショルダー部分の締め付けが適度(きつすぎると疲労の原因に)
  • 足の付け根まで適度にフィット(隙間があると水が溜まる)
  • 膝周りの動きやすさを確認(パドリング時の負担軽減)
  • タッパーとの組み合わせを考慮したサイズ選び

5. 季節別おすすめの組み合わせ

季節別ウェットスーツガイド

季節に応じた最適なウェットスーツの選び方

季節 気温/水温の目安 おすすめの組み合わせ 注意点

(7-9月)
25-30℃/23-28℃ ・スプリング(2mm)
・ロングジョン単体
・タッパー単体
紫外線対策を忘れずに
春・秋
(4-6月,10-11月)
18-25℃/18-23℃ ・フルスーツ(3/2mm)
・ロングジョン+タッパー
朝夕の気温差に注意

(12-3月)
10-15℃/15-18℃ ・厚手フルスーツ(4/3mm)
・フルスーツ+インナー
体力の消耗が大きい
季節の変わり目での注意点:
「特に春と秋は、気温と水温の差が大きくなりやすい時期です。この時期は、より保温性の高いタイプを選ぶか、インナーやタッパーなどの追加装備を用意することをおすすめします。」

6. よくある質問

Q1. 初心者はどのタイプを選べばいいですか?

A1. 初めての方には、以下の理由からバックジップタイプのフルスーツをおすすめします:

  • 着脱が比較的容易
  • 体温維持がしやすい
  • 価格が比較的手頃

Q2. 複数のウェットスーツを持つ必要はありますか?

A2. 年間を通してサーフィンを楽しむ場合は、以下の組み合わせをおすすめします:

  • 夏用:スプリングまたはロングジョン
  • 春秋用:標準的なフルスーツ
  • 冬用:厚手のフルスーツ

Q3. ウェットスーツの寿命はどのくらいですか?

A3. 使用頻度や管理状態にもよりますが、一般的に以下の目安があります:

  • 週1-2回使用の場合:2-3年
  • 毎日使用の場合:1-1.5年
  • 適切なメンテナンス実施で1年程度延長可能

まとめ

ウェットスーツの選択は、サーフィンの楽しさを大きく左右する重要な要素です。以下の点を意識して選びましょう:

  • 使用する季節と水温を最優先で考慮
  • 自身の体型とスキルレベルに合わせた選択
  • 予算に応じた適切なグレード選び
  • 必要に応じて複数の組み合わせを検討