こんにちはビーチアクセス編集部です。サーフィンのパドリングって難しいと感じたことはありませんか?

実はサーフィン経験者でも「パドリングが難しい」と感じてることが多いです。

一言でパドリングと言っても、使っているサーフボード、パドリングを行う目的によって様々な漕ぎ方を使い分ける必要があります。

本記事では、むずかしいと感じることが多いサーフィンのパドリングを、なるべく簡単に、そして一般サーファーが応用できる方法を紹介します。

1. サーフィンのパドリングとは?

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サーフィンのパドリングは、サーフボードの上に腹ばいになって、腕を使って水を漕ぐ行為のことを言います。

このパドリングを行うことによって、推進力を生むことができ、波が割れる目的の場所に向かったり、波をキャッチしてライディングに繋げることができます。

サーフィンの基本的な動作のことを「パドリング」と呼ばれています。

1_1. ソフトボードとハードボードではパドリングが違うの?

ソフトボードとハードボードで、パドリングを使い分ける必要はありません。基本的には同じやり方でパドリングを行いましょう。

ただしサーフボードのサイズや形状、ボリュームによってパドリングは変える必要があるので、その点だけ注意してみてください。

1_2. パドリングはサーフボードと海の力で前に進む

よくパドル力、パドル筋と言われることの多いパドリングですが、実はパドリングには力も筋力もそれほど関係ありません。

パドリングで大事なことは「サーフボードのボリューム」と「海の力」の2つです。

人間の筋力やパドリングの経験値は多くても2割程度しか関係ありません。

なぜなら、サーフィンは小さな子供でも波をキャッチできるし、女性も波キャッチできます。ご年配の方でも波をキャッチできています。

もし仮にパドリング=筋力であれば、大人よりも子供のパドリングが速い理由を説明できません。

ソフトボードは誰が乗ってもスムーズなパドリングと、速い波キャッチを実感できるサーフボードです。

覚えておいてほしいのは、パドル力やパドル筋は、パドリングのスピードと波キャッチにそれほど大きな要素ではないということです。

2. サーフィンのパドリングは2種類ある

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サーフィンのパドリングは、波が割れる場所に向かうためのパドリング(ゲッティングアウト)と、波をキャッチするためのパドリング(テイクオフ)があります。

2_1. 波が割れる場所に向かうためのパドリングとは?

サーフィンは岸から波が割れているポイントまでパドリングで向かう必要があります。

ビーチブレイクのような岸から近いところで波が割れている場合は、数メートルから数十メートルの距離をパドリングで進みます。

リーフブレイクのような岸から遠いところで波が割れている場合は、数百メートルの距離をパドリングで向かう必要があります。

このような距離のある場所に向かうためには、体力を温存する必要があるので、パドリングもゆったりリラックスした状態で行います。

陸上で例えるなら「ジョギング」のような感覚ですね。なるべく疲れないように目的の場所まで辿り着けるように、パドリングを行います。

2_2. 波をキャッチするためのパドリング

次に波をキャッチするためのパドリングがあります。こちらは先ほどの「波が割れる場所に向かうためのパドリング」とは違います。

陸上で例えるなら「100m走」をイメージすると分かりやすいでしょう。

効率よく波をキャッチするためには、しっかりと漕ぐ必要があるので、沖へ向かう時のパドリングと強度が違います。

3. ゲッティングアウトのパドリングのやり方

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  1. 足を閉じる
  2. 背中は無理に反らさない
  3. リラックスする
  4. 呼吸をしながら
  5. 小指から水に入れる
  6. 浅く漕ぐ
  7. 肘を引くように漕ぐ

上記7つのポイントを実践すれば、岸から500m以上のポイントでも疲れにくくなります。

その理由は「使う筋肉の違い」があるからです。

一般的にパドリングは「速く、強く漕ぐ」と言われることが多いです。しかし、速く強く漕ごうとすると、人間は無呼吸となり、体も強張り、カラダを上手に使うことができずに疲れやすくなります。

また力で漕ごうとすると、腕に力が入ってしまい、上腕の小さな筋肉を使ってしまうため乳酸がすぐに溜まって疲れやすくなります。

力ではなくカラダの仕組み(小指から入水して、肘を引いて漕ぐ)でパドリングをすると、上腕ではなく広背筋など背中の大きな筋肉を使えるようになります。大きな筋肉は乳酸が溜まりにくく、疲れにくいので、500mパドリングしても疲れません。

大事なことはリラックスをして、大きな筋肉を使ってパドリングすること。

そのためには上記7つの方法を実践するのがオススメです。

4. 波をキャッチするとき(テイクオフ)のパドリング

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  1. 足を閉じる(バタ足しない)
  2. 深く漕ぐ
  3. アゴはボードにつけないようにする
  4. 重心はテール側に置くことを意識する
  5. なるべく笑顔で

テイクオフの時のパドリングでよくある間違いは、速く乗ろうとして、前のめりになってしまうことです。

なるべく足を閉じて、沖に出る時のパドリングよりも深く漕ぐこと、そしてアゴをボードにつけないようにすることが大切です。

波は後ろから前に進んでいくので、サーフボードのテールが波をキャッチできるように、テール側を沈めるようにすると波が上手に押してくれます。

そして、笑顔でサーフィンすることは何よりも大切です。笑顔が弛緩(リラックス)に繋がります。カラダの弛緩ができるようになると、視野を広く保つことができるので、その後のライディングも行きたい方向に進めるようになります。

5. パドリングは速く漕がない方が良い理由

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パドリングを速く漕ごうとすると、さまざまなデメリットが生まれます。

  1. カラダが強張る
  2. 関節の可動域が小さくなる
  3. 波をキャッチできない

焦ってパドリングすること、速くパドリングすることは、結果的に逆効果になることが多いです。

5_1. サーフボードがブレて安定しないから推進力が生まれない

自分の力を使ってパドリングをしようとすると、どうしても腕を伸ばして、遠くから力を入れて漕ごうとしてしまいます。

そうなると体の軸がズレて、その力がサーフボードに伝わり、左右にブレて推進力が生まれなくなります。

最も効率よく速く進むためには、スムーズに推進力を生み出す必要があります。

5_2. 速く漕ごうとすると肩関節を回そうとしてしまう

速く漕ごうとすると、回転数を上げようとするのが人間の心理です。自転車の世界では「ケイデンス」と言われています。

このケイデンスを上げることで、自転車の場合は推進力を生み出すんですが、サーフィンの場合は少し違います。

パドリングは腕を回して推進力を生み出すのではなく、サーフボードの下に水流を生み出すことで前に進む力が生まれます。

しかし、速さを求めると「回転数を上げる」ことが速さに繋がると思い込むサーファーさんが多いです。私もその一人でした。

そこで質問ですが、回転数を上げるためにはどうしたらいいと思いますか?

多くの場合「肩を回す」ことをしてしまいます。

実は肩関節は回せるようにはできていません。肩を回そうとすると脱臼しやすくなります。

事実、サーファーには肩の脱臼癖を抱えている方が非常に多いです。それを避けるためには...

5_3. ゆっくり漕ぐことで推進力が生まれる

回転数ではなく、一定のリズムでリズム良く漕ぐことで推進力が生まれやすくなります。

自転車で例えると「一番重いギアで漕ぐ」イメージですね。

漕ぎ出しはとてもゆっくりですが、二回、三回と漕ぐうちに徐々に軽くなっていく。

回転数ではなく、ボードが進み出す感覚を意識するようにしてください。

肩を回そうとするのではなく、歩くときや走るときと同じように、肘を引いて、一定のリズムで漕いでいきます。

小指から水に入れて肘を引くようにすると、リズム良くパドリングを行うことができます。

慌てなくてもいいし、速く漕ごうとしなくても、リズム良く漕ぐことができればサーフボードは前に進んでいきます。

5_4. サーフボードに合わせてパドリングは変える

パドリングはサーフボードに合わせて変えると、上手くいきやすいです。例えば競技サーファーのパドリングは競技サーフィンに合わせて経験値を積み上げたパドリングです。

一般サーファーのパドリングとは目的も、乗っているサーフボードも違うことが多いです。

一つのパドリングにこだわることも大切ですが、いろんなサーフボードに合わせてパドリングを変えるという考えも重要になってきます。

6. ソフトボードで安定したパドリングを行う方法

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ソフトボードはボリュームが大きいため、水から浮く力が強いです。基本的なやり方は同じですが、水面から浮いている部分が大きく、腕を伸ばして深く入れにくいので、力を入れずに浅く漕ぐやり方で進んでいけます。

6_1. ストロークを長く

ソフトボードのようなボリュームの大きなボードは、回転数を上げないようにストロークを長くゆっくりと漕ぐようにしましょう。右手を漕いだら、左手を漕ぐ。リズム良く漕ぐと安定しやすいです。

6_2. 小指から入れて肘で引く

いろんなやり方がありますが、小指から入れて肘で引くパドリングをすると疲れにくくなるのでオススメです。ゲッティングアウトは浅くゆっくり漕ぐと疲れにくくなります。テイクオフの時はアゴをつけないように意識しながら、深く腕を入れて漕ぐようにしましょう。

6_3. アゴを付けない

ボリュームが大きいため、水から浮く力が強く、アゴで押さえつけようとしてしまいますが、アゴは付けないようにパドリングをしましょう。アゴを付けてパドリングすると肩関節を痛めたり、テールが浮いて波に置いていかれる確率も上がります。

6_4. リラックスして漕ぐ

一番大切なことです。力まずリラックスしてサーフィンを楽しみましょう。ソフトボードは特にリラックスしたサーフィンスタイルが向いているので、サーフィンの楽しさを味わうことができます。パドリングの練習にも向いています。

7. 水泳のクロールと違うポイント

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サーフィンのパドリングと、水泳のクロールは似ているようで体の動きが大きく違います。

7_1. 水泳のクロールは回転運動

水泳のクロールは回転運動で、体の中心を縦に2分割し、左右に軸を入れ替えて、カラダを回転させながら前に進んでいく泳法です。

非常に推進力の高い泳ぎ方ですが、サーフィンのパドリングとは運動力学が違います。

7_2. パドリングは並行運動

サーフィンのパドリングはサーフボードの上に乗って、水平に進んでいく泳法です。水面に対して平行に漕ぐのがパドリングになります。

なるべくサーフボードにブレを伝えないように漕ぐ必要があるので、左右の軸を入れ替えることはありません。

クロールとは体の動かし方から使い方まで大きく違うのが特徴です。

8. まとめ

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  1. 沖に向かうパドリングはゆったりリラックス
  2. 波をキャッチするパドリングは腕を深く入れる
  3. ソフトボードはパドリングの練習に向いている
  4. 何よりも大切なことはリラックスすること

以上がソフトボードで効率よくパドリングを続けるコツでした。参考にしてもらえたら嬉しいです。

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