サーフボードのメンテナンス完全ガイド | 寿命を延ばす正しいケア方法
サーフボードは適切なメンテナンスを行うことで寿命が大きく変わります。このガイドでは、ソフトボードからハードボードまで、サーフボードのタイプ別の正しいケア方法をご紹介します。
サーフボードをメンテナンスする重要性
サーフボードは海という過酷な環境で使用するため、適切なケアが欠かせません。塩水、紫外線、高温など、さまざまな要素がボードにダメージを与えます。定期的なメンテナンスを行うことで、以下のようなメリットが得られます。
適切なメンテナンスのメリット
- ボードの寿命が2〜3倍長くなる可能性がある
- パフォーマンスを最適な状態に保てる
- 見た目の美しさを維持できる
- 修理費用や買い替え費用の節約になる
- 環境負荷の軽減につながる
特にソフトボードは、ハードボードに比べて素材が環境からの影響を受けやすいため、日々のケアがより重要になります。ちょっとした手間で、お気に入りのボードを長く愛用することができるのです。

適切なメンテナンスで長くボードを楽しめます
サーフボードの素材別お手入れ方法
サーフボードはその構造や素材によって、適切なメンテナンス方法が異なります。ここでは、主要なタイプ別のお手入れ方法を解説します。
ソフトボードのお手入れ
Beach Accessのm-soft、Standard、HSシリーズなどのソフトボードは、外側がソフトフォーム素材でできています。これらのボードは以下のようなケアが必要です。
- 真水でしっかりと洗い流す(特に塩分の除去が重要)
- 直射日光を避けて保管する(変形やフォームの劣化を防ぐ)
- 高温になる場所(車内など)に長時間放置しない
- ソフト面のシミや汚れは中性洗剤で優しく拭き取る
- フィンボックスには定期的に真水を吹きかけて塩分を洗い流す
注意! ソフトボードを洗う際、高圧洗浄は避けてください。水がボード内部に浸入し、コアを痛める可能性があります。特にビス穴やフィンボックス周辺は要注意です。
ハードボード(PUボード・EPSボード)のお手入れ
ハードボードは主にポリウレタン(PU)またはEPS(発泡スチロール)をコアとし、グラスファイバーとレジンでコーティングされています。これらのボードには以下のようなケアが推奨されます。
- 使用後は必ず真水で洗い流す
- ボードに付着したワックスを定期的に除去する
- 小さなキズやデラミネーション(層間剥離)はすぐに修理する
- UV保護スプレーを定期的に使用する(日焼けによる黄ばみ防止)
- ハードボードは特に熱に弱いため、直射日光や高温を避けて保管する
Beach AccessのHSシリーズは、デッキ面はソフト素材、ボトム面はハード素材という特殊構造になっています。この場合、ソフトボードとハードボード両方のケア方法を組み合わせるのがベストです。
ポイント! HSシリーズのようなハイブリッドタイプのボードは、ソフト面とハード面それぞれに適したケアを行うことで、最大限の寿命とパフォーマンスを引き出せます。ソフト面の保護とボトム面の傷防止に特に気を配りましょう。
使用後の基本的なケア手順
サーフィン後の基本的なケアは、ボードの種類を問わず非常に重要です。以下の手順を習慣にすることで、ボードの寿命を大幅に延ばすことができます。
ステップ1: すぐに真水で洗い流す
サーフィン後はできるだけ早く、ボード全体を真水で洗い流しましょう。海水に含まれる塩分は、ボードの素材を劣化させる主な原因です。特に注意すべき部分は以下の通りです。
- フィンボックスやプラグ周辺
- リーシュプラグとその周辺
- デッキ面(特にワックスを塗っている場合)
- レールエッジ部分

使用後は必ず真水でボード全体を洗い流しましょう
ステップ2: しっかり乾燥させる
洗浄後は、柔らかいタオルでボードを拭き、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。特に以下の点に注意しましょう。
- 直射日光を避ける(素材の劣化や変形の原因になります)
- 立てかける場合は柔らかい素材の上に置く
- フィンボックスやプラグ内の水分もしっかり拭き取る
- 完全に乾ききるまで保管場所に戻さない
注意! 濡れたままのボードをボードカバーに入れて保管すると、カビや臭いの原因になります。また、デッキパッドがある場合は、パッド下に水が溜まりやすいので特に注意して乾燥させましょう。
ステップ3: 傷やダメージのチェック
乾燥させている間に、ボードに新しい傷やダメージがないかチェックしましょう。早期発見が修理の手間とコストを大幅に削減します。
- 小さな傷(特にボトム面)
- デラミネーション(層間剥離)の兆候
- フィンボックスやリーシュプラグの緩み
- ソフトボードの場合、フォーム素材の圧縮や変形
小さな問題でも放置すると大きな損傷につながります。特に水の浸入は内部の腐食や重量増加を引き起こし、パフォーマンスに悪影響を及ぼします。
ワックスの正しい扱い方
ワックスはグリップ力を高めるために重要ですが、適切に管理しないとボードの劣化を早める原因にもなります。ここでは、ワックスの正しい扱い方を解説します。
ワックスの塗り方と選び方
ワックスを塗る際は、水温に合わせた適切なタイプを選びましょう。基本的な塗り方は以下の通りです。
- ベースコートを薄く均一に塗る
- 円を描くように軽く塗り広げる
- 立つエリアを中心に丁寧に塗る
- 必要に応じてトップコートを追加する
ポイント! Beach Accessのワックスフリーモデルは、ワックスを塗る必要がなく、使用後のメンテナンスが簡単です。ソフトデッキ素材が適度なグリップ力を提供するので、初心者にも扱いやすいのが特徴です。詳しくはワックス不要のソフトボード特集をご覧ください。
ワックスの除去方法
ワックスは定期的に古いものを落として新しく塗り直すことで、最適なグリップ力を維持できます。以下の手順で効果的に除去できます。
- ワックスコームでワックスの表面に溝を作る
- 日当たりの良い場所に15〜20分ボードを置いてワックスを柔らかくする
- ワックスリムーバーやプラスチックスクレーパーで優しく削り取る
- 柔らかい布に少量のワックスリムーバーを付けて残りを拭き取る
- 最後に中性洗剤と水で洗い流し、しっかり乾かす
ワックス除去は2〜3ヶ月に一度、または古いワックスが黒ずんできたら行いましょう。また、違う水温のエリアでサーフィンする際にも、ワックスを塗り替えるのがおすすめです。
注意! ソフトボードにワックスを使用する場合は、専用のソフトボード用ワックスを使いましょう。通常のワックスはソフトフォーム素材に浸透して取れにくくなる場合があります。詳しくはソフトボード用ワックスの塗り方と落とし方の記事をご覧ください。
サーフボードの保管方法と注意点
適切な保管方法は、サーフボードの寿命を左右する重要な要素です。以下のポイントに注意して保管しましょう。
理想的な保管環境
サーフボードを長持ちさせるための理想的な保管環境は以下の通りです。
- 直射日光の当たらない場所
- 室温が極端に高くならない場所(特に夏場は注意)
- 湿度が極端に高くない場所
- 風通しが良い場所
- 重いものが上に乗らない場所

ボードカバーを使用して保護すると安心です
保管時の姿勢と位置
サーフボードの保管姿勢も寿命に影響します。以下のポイントを押さえましょう。
- 水平保管:可能であれば、ボードラックで水平に保管するのが理想的です。
- 立てかける場合:テールを床に、ノーズを壁に軽く立てかけます。必ずボードカバーやタオルでテールを保護してください。
- 垂直保管:長期保管する場合は、ボードが曲がらないよう、中央部のバランスを取って垂直に保管します。
- 複数枚重ねる場合:間にタオルを挟むなどして、ボード同士が直接接触しないようにします。
ポイント! ボードカバーやボードケースを使用することで、保管中のダメージを大幅に減らせます。Beach Accessでは様々なサイズのボードカバーを取り扱っています。詳しくはサーフボードデッキカバーをご覧ください。
長期保管の注意点
シーズンオフなど、長期間使用しない場合は以下の点に特に注意しましょう。
- 完全に乾燥させてから保管する
- 古いワックスを完全に除去する
- ボードカバーまたはケースに入れる
- フィンは取り外して別に保管する
- 定期的に位置を変える(同じ姿勢での長期保管を避ける)
- 重いものを上に置かない
特にソフトボードは長期間同じ姿勢で保管すると、フォーム素材が変形することがあります。2〜3ヶ月に一度は姿勢を変えるようにしましょう。
ダメージへの対処と簡単な修理方法
どんなに注意していても、サーフボードにはダメージが生じることがあります。ここでは、一般的なダメージとその対処法を紹介します。
ソフトボードの修理
ソフトボードの主な損傷と修理方法は以下の通りです。
- 表面の擦り傷:通常はパフォーマンスに影響しないため、特別な処置は不要です。
- 小さな裂け目:専用の防水シールを貼ったり、ウレタン系の接着剤で接着できます。
- デッキパッドの剥がれ:防水性の強い接着剤で再接着します。
- フィンボックスの損傷:専門店での修理が必要です。自己修理は水の浸入リスクが高いため避けましょう。
注意! ソフトボードの修理に一般的なサーフボードリペアキットを使用すると、素材が溶ける場合があります。必ずソフトボード用の修理材料を使用するか、専門家に相談してください。
ハードボードの修理
ハードボード(特にHSシリーズのボトム面)の一般的な修理方法は以下の通りです。
- 小さな傷:サンドペーパーで傷を滑らかにし、UV硬化レジンで修復できます。
- デラミネーション:早期発見が重要です。剥がれた部分の周囲に小さな穴を開け、エポキシレジンを注入して修復します。
- ディンプル(へこみ):軽度の場合は経過観察。進行する場合は専門家に相談しましょう。
- フィンボックスの修理:高度な技術が必要なため、基本的には専門店に依頼することをおすすめします。
自己修理を行う場合でも、大きなダメージや水が浸入している可能性がある場合は、専門のリペアショップに相談することをおすすめします。長期的に見れば、適切な修理が費用対効果が高いです。
ポイント! Beach AccessのStandardシリーズとHSシリーズは、一般的なソフトボードよりも耐久性が高い構造になっています。内部にファイバーグラスレイヤーを使用しているため、衝撃に強く、適切なメンテナンスを行えば長期間使用できます。詳しくはシリーズの違いをご覧ください。
メンテナンスに役立つアイテムとツール
サーフボードを長持ちさせるために、以下のメンテナンス用品を揃えておくと便利です。
基本的なメンテナンスアイテム
- ボードカバー/ケース:輸送時の保護と保管時のダメージ防止に
- ワックスコーム:ワックスの溝付けと除去に使用
- ワックスリムーバー:古いワックスの効率的な除去に
- 中性洗剤:汚れの除去に(強い洗剤は避ける)
- 柔らかいタオル/布:水分拭き取りと洗浄に
- フィンキー:フィンの脱着に(特にFCSやFuturesタイプ)

ボードカバーは保護と持ち運びに便利なアイテムです
修理用アイテム
簡単な修理に対応するために、以下のアイテムを揃えておくと便利です。
- UV硬化レジン:小さな傷の修復に(ハードボード用)
- 防水シール/テープ:ソフトボードの小さな裂け目の応急処置に
- ウレタン系接着剤:ソフトフォーム素材の接着に
- サンドペーパー:様々な粒度のものを用意(80〜400番)
- マスキングテープ:修理範囲の区切りに
ポイント! サーフバケツやウェットバッグは、ウェットスーツの持ち運びだけでなく、小さなメンテナンス用品をまとめて保管するのにも便利です。詳しくはサーファーズ大容量ポータブルウェットバッグをご覧ください。
よくある質問
サーフボードのメンテナンスはどのくらいの頻度で行うべきですか?
基本的な洗浄(真水での洗い流し)は毎回のサーフィン後に行うべきです。ワックスの除去と再塗布は2〜3ヶ月に一度、または古いワックスが黒ずんできたタイミングで行いましょう。また、ボード全体の点検は月に一度程度行うと、早期にダメージを発見できます。
ソフトボードとハードボードのメンテナンス方法の主な違いは何ですか?
ソフトボードはフォーム素材が熱に弱いため、直射日光や高温での保管に特に注意が必要です。また、修理方法も異なり、ソフトボードには専用の修理材料を使う必要があります。ハードボードは水の浸入に敏感なため、小さな傷でもすぐに修理することが重要です。Beach AccessのHSシリーズのようなハイブリッドタイプは、両方の特性を考慮したケアが必要です。
サーフボードに黄ばみができてしまいました。除去できますか?
白いハードボードの黄ばみは主に紫外線によるものです。軽度の黄ばみは、過酸化水素と重曹を混ぜたペーストを塗布し、日光に当てることで薄くできる場合があります。ただし、完全に元に戻すのは難しいため、予防が重要です。日常的にUV保護スプレーを使用し、使用しないときはボードカバーに入れて保管しましょう。ソフトボードの黄ばみには、中性洗剤で優しく洗浄する方法が効果的です。
ワックスフリーのソフトボードのメンテナンス方法を教えてください。
Beach Accessのワックスフリーモデルは、特殊なデッキ素材を使用しているため、ワックスを塗る必要がありません。メンテナンスは通常のソフトボードよりも簡単で、使用後に真水で洗い流し、しっかり乾燥させるだけで十分です。汚れが気になる場合は、中性洗剤を薄めた溶液で優しく拭き取り、水でよくすすいでください。グリップ力が低下してきた場合は、デッキブラシで軽くこすることで回復することがあります。
サーフボードを車に積んで移動する際の注意点はありますか?
車での移動時は以下の点に注意しましょう。常にボードカバーやケースを使用すること、直射日光が当たる場所(特に夏場の車内)に長時間放置しないこと、ストラップでしっかり固定すること、急ブレーキや急カーブを避けること、長時間の移動時は定期的にストラップの緩みと過度な締め付けをチェックすることが重要です。屋根のラックに固定する場合は、パッド付きのラックを使用し、ボードが振動で傷つかないよう適切に固定してください。
水没したサーフボードはどうすればいいですか?
水没(内部に水が入った状態)したハードボードは早急に対処が必要です。まず、フィンを外し、ボードをできるだけ水平に保ち、穴や亀裂から水が出てくるようにします。その後、1〜2週間、乾燥した風通しの良い場所で自然乾燥させます。水がなかなか出てこない場合や、内部の劣化が心配な場合は、専門のリペアショップに相談することをおすすめします。水没を放置すると、コアの腐食やデラミネーションが進行し、最終的にボードが使用不能になる可能性があります。
もっと詳しく知りたい方へ: Beach Accessのソフトボードの詳細な情報や選び方については、ソフトボード完全ガイドをご覧ください。また、ソフトボードの耐久性と長期間使用するためのコツについては、ソフトボードの耐久性 - 長持ちの秘訣とメンテナンス方法の記事も参考になります。
監修者

ヒガシーサー
サーフィン歴20年、オンラインサーフィンスクール「Corrective Surf'n' Fitness」のアンバサダーを務め、誰でも簡単にサーフィン上達ができるハウツーを紹介。SNS総フォロワーは65,000人以上。