サーフィンを始めるならどっち?ソフトボードとハードボードの特徴と選び方
サーフィンを始めようと思ったけど、どんなボードを選べばいいか迷っていませんか?初心者にとって、ソフトボードとハードボードの選択は大きな分かれ道です。このガイドでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたに最適なサーフボード選びをサポートします。
このガイドでわかること
- ソフトボードとハードボードの基本的な違い
- 初心者にとってどちらのボードが適しているか
- 体格や目標に合わせたボード選びの基準
- スキルアップに合わせたボードの移行タイミング
より詳しいソフトボードの情報は、ソフトボード完全ガイド:初心者からプロまで使える選び方と魅力もご参照ください。
1. サーフボードの基礎知識:ソフトボードとハードボードの違い

ソフトボードとハードボードは構造や素材が大きく異なります
1.1 構造と素材の違い
ソフトボードとハードボードは、名前が示す通り、主に表面の素材と構造に大きな違いがあります。
構成要素 | ソフトボード | ハードボード |
---|---|---|
デッキ(上面) | 柔らかいEVAやPEフォーム | 硬いファイバーグラスやエポキシ樹脂 |
コア | EPSフォーム | EPSフォームまたはPUフォーム |
ボトム(底面) | HDPE素材(モデルによりハード素材も) | ファイバーグラスやエポキシ樹脂 |
補強材 | ストリンガー1〜2本(モデルにより様々) | ストリンガー(木製または合成素材) |
フィンシステム | ソフトフィンまたはハードフィン(取り外し可能なモデルも) | 取り外し可能なフィンボックス |
重量 | やや重い(同サイズ比較) | 比較的軽い |
ソフトボードの種類
ソフトボードは主に3つのタイプに分類できます:
- スポンジボード(従来型):表面全体が柔らかいフォーム素材で覆われた最もベーシックなタイプ
- ソフトトップボード:EPSコアをファイバーグラスで補強し、表面のみソフト素材を使用したタイプ
- ソフトトップハードボトムボード:デッキ面はソフト、ボトム面はハード素材を使用した高性能ハイブリッドタイプ
Beach Accessでは、これらの特性を組み合わせた3つのシリーズ(m-soft、Standard、HS)を提供しています。詳しくはBeach Access ソフトボード シリーズの違いをご覧ください。
1.2 性能と特徴の比較
ソフトボードの特徴
- 浮力:★★★★★(非常に高い)
- 安定性:★★★★★(非常に高い)
- 操作性:★★★☆☆(中程度)
- 安全性:★★★★★(非常に高い)
- 耐久性:★★★★☆(比較的高い)
- メンテナンス:★★★★☆(比較的簡単)
ハードボードの特徴
- 浮力:★★★☆☆(中程度)
- 安定性:★★★☆☆(中程度)
- 操作性:★★★★★(非常に高い)
- 安全性:★★☆☆☆(やや低い)
- 耐久性:★★★☆☆(中程度)
- メンテナンス:★★☆☆☆(やや複雑)
これらの特徴は一般的な傾向であり、ボードの具体的なモデルやサイズによって異なる場合があります。特に近年の高性能ソフトボードは、ハードボードに近い操作性を実現しているものもあります。

高性能ソフトボード(HSシリーズ)でのライディング - ハードボードに近い操作性を実現
2. 初心者サーファーにおすすめなのはどっち?
結論から言えば、多くの場合、初心者サーファーにはソフトボードがおすすめです。しかし、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分の体格、目標、サーフィンする環境に合わせて選ぶことが重要です。
2.1 ソフトボードのメリットとデメリット
メリット
- 安全性の高さ:衝突時の怪我のリスクが低く、自分や周りのサーファーに安心
- 浮力の高さ:パドリングが楽で、波に乗りやすい
- 安定性:バランスを取りやすく、立ち上がりやすい
- 心理的安心感:失敗を恐れずにチャレンジでき、上達が早い
- メンテナンスの容易さ:ワックスフリーモデルならワックス塗りの手間がない
デメリット
- 操作性の制限:ハードボードと比べて鋭いターンやカットバックが難しい場合がある
- 高度な技術習得の制約:テクニカルなサーフィンにはやや不向き(モデルによる)
- 重量:同サイズのハードボードと比較するとやや重い
- 直射日光に弱い:高温や紫外線によって劣化する可能性がある

初心者にソフトボードが適している理由:安定性が高く、テイクオフが容易
2.2 ハードボードのメリットとデメリット
メリット
- 高い操作性:素早いターンや高度な技術が可能
- 波の感覚:波のエネルギーをダイレクトに感じられる
- デザインの多様性:様々な形状や特性を持つモデルから選択可能
- 長期的な上達:技術の向上に合わせてボードを選べる
- 軽量性:同サイズのソフトボードと比較すると一般的に軽い
デメリット
- 扱いの難しさ:初心者には波に乗るまでの過程が難しい
- 安全リスク:衝突時の怪我のリスクが高い
- 損傷しやすさ:ディンプル(凹み)や亀裂が入りやすい
- メンテナンスの必要性:定期的なワックス塗り替えや修理が必要
- 挫折リスク:波に乗れるまでに時間がかかり、モチベーション維持が難しい場合がある
2.3 なぜ初心者にはソフトボードがおすすめなのか
Beach Accessのスタッフや多くのサーフィンインストラクターが初心者にソフトボードを推奨する理由は、主に次の3つです:
1. 成功体験を早く得られる
浮力が高く安定性があるため、早い段階で波に乗る成功体験を得られます。この成功体験がモチベーションを維持し、サーフィンを続ける原動力になります。
2. 安全にサーフィンの基本を学べる
柔らかい素材で作られているため、自分や周りのサーファーへの危険が少なく、安心して基本動作の練習に集中できます。
3. 段階的な上達が可能
様々なサイズと形状のソフトボードがあり、スキルの向上に合わせて徐々にサイズダウンしていくことで、自然な上達カーブを描けます。
ソフトボードが初心者に適している理由について、詳しくはなぜソフトボードはサーフィン初心者にオススメなのか?科学的な根拠で解説をご覧ください。
3. 初心者のためのサーフボード選びの基準
3.1 考慮すべき要素
初心者がサーフボードを選ぶ際には、以下の要素を総合的に考慮することが重要です:
考慮要素 | 重要性 | 選び方のポイント |
---|---|---|
体格(身長・体重) | ★★★★★ | 体重が重い方は浮力のあるボードを選ぶ 身長が高い方はやや長めのボードが安定しやすい |
経験レベル | ★★★★★ | 全くの初心者はボリュームのあるボードを 少し経験がある方は中間的なサイズを |
サーフィンする場所 | ★★★★☆ | 波が小さい場所なら浮力の高いボードを 波が大きい場所ならコントロール性重視のボードを |
目標とする上達レベル | ★★★☆☆ | 趣味として楽しむなら安定感を重視 競技志向ならより反応性の高いモデルを |
体力レベル | ★★★☆☆ | 体力に自信がない方は浮力の高いボードで パドリングの負担を軽減 |
予算 | ★★★☆☆ | 長期的な視点で考え、品質の良いボードに 投資することをおすすめ |
3.2 体格・経験別の適切なサイズと形状
初心者におすすめのサーフボードサイズは、主に体重と経験レベルによって決まります。以下の表を参考にしてください:
体重別のソフトボードサイズ目安(初心者向け)
体重 | 推奨サイズ | 推奨ボリューム | Beach Accessおすすめモデル |
---|---|---|---|
50-70kg | 7'6"〜8'0" | 60-80L | m-soft 8'0" |
70-90kg | 8'0"〜9'0" | 70-90L | Standard 8'0" |
90kg以上 | 9'0"以上 | 90L以上 | Standard 9'0" |
※これはあくまで目安です。個人の体力、運動神経、波のコンディションによって最適なサイズは変わります。
初心者におすすめの形状
初心者には以下の特徴を持つボードがおすすめです:
- ラウンドノーズ:先端が丸く、パドリング時の安定感を高めます
- ワイドテール:お尻の部分が広く、安定性を提供します
- 厚めのレール:側面が厚く、バランスを取りやすくなります
- フラットロッカー:ボードの反りが少なく、波のキャッチがしやすくなります

ファミリーでのサーフィンにもソフトボードは最適 - 安全性と使いやすさを両立
ポイント! 初心者の場合、「波に乗れるか」という成功体験がモチベーション維持に大きく影響します。サイズを小さくして見栄えを気にするよりも、十分な浮力と安定性を持つボードを選び、多くの波に乗る経験を積むことが上達への近道です。
3.3 波のコンディションに合わせた選び方
サーフィンをする場所の波の特性によって、適切なボード選びは変わってきます。
小波(ヒザ〜腰サイズ)での選択
- ボード特性:浮力が高く、幅広のデザイン
- 推奨サイズ:長め(7'6"〜9'0")
- おすすめモデル:m-soft 8'0"、Standard 8'0"
中波(腰〜胸サイズ)での選択
- ボード特性:バランスの取れた浮力と操作性
- 推奨サイズ:中間(7'0"〜8'0")
- おすすめモデル:Standard 7'0"、Standard 7'6" クアッド
大波(胸以上のサイズ)での選択
- ボード特性:コントロール性を重視したデザイン
- 推奨サイズ:やや短め(6'6"〜7'6")
- おすすめモデル:HS 7'6" ミッドレングス、HS 6'10" クアッドフィッシュ
サーフポイント別のアドバイス: 日本の多くのサーフポイントでは、波が小〜中サイズであることが多いため、初心者は浮力のあるボードを選ぶことをおすすめします。特に湘南、千葉北、伊良湖など、波のパワーが比較的穏やかなエリアでは、長めのソフトボードが初心者の上達をサポートします。
サイズ選びについて詳しくは、ソフトボードのサイズ別選び方の記事もご参照ください。
4. ソフトボードからハードボードへの移行:タイミングと方法
ソフトボードからハードボードへの移行は、サーファーとしての成長における重要なステップです。ただし、急ぎすぎずに段階的に移行することが上達の鍵となります。
4.1 移行のタイミングを見極める指標
以下のスキルが身についたら、ハードボードへの移行を検討するタイミングかもしれません:
移行を検討するサインチェックリスト
- 安定してテイクオフができ、90%以上の確率で立ち上がれる
- 波の選び方がわかり、良い波を見分けられるようになった
- 基本的なボトムターンができる
- トリムしながら波に沿って滑走できる
- ホワイトウォーターだけでなく、グリーンウォーター(未崩壊の波)でも乗れる
- 身体のバランス感覚が向上し、様々な状況で安定して乗れる
- 現在のボードに物足りなさを感じ始めている

ハードボードへの移行前に、Standard、HSシリーズなどの高性能ソフトボードでスキルを磨くことをおすすめします
4.2 段階的な移行の戦略
ソフトボードからハードボードへの移行をスムーズにするために、以下のような段階を踏むことをおすすめします:
段階 | ボードタイプ | サイズ目安 | おすすめモデル例 |
---|---|---|---|
1. 初心者 | 標準ソフトボード | 8'0"〜9'0" | m-soft 8'0" |
2. 初級者 | 中間性能ソフトボード | 7'0"〜8'0" | Standard 7'0" |
3. 中級者前半 | 高性能ソフトボード | 6'6"〜7'6" | HS 7'6" ミッドレングス |
4. 中級者後半 | エッグ型ハードボード | 6'8"〜7'6" | ミッドレングス、ハードボード |
5. 上級者 | ショートボード | 5'8"〜6'4" | ショートボード、ハイブリッド |
ポイント! サーフィン経験が増えるにつれて、1人で複数のボードを所有することがより一般的になります。波のコンディションや気分に合わせてボードを選ぶことで、より多くの状況でサーフィンを楽しむことができます。初心者の段階からハードボードにこだわらず、段階的な移行を心がけることで、長く楽しくサーフィンを続けられます。
4.3 移行期におすすめの中間的なボード
ソフトボードからハードボードへの移行をスムーズにする「中間的なボード」として、以下のような選択肢があります:
1. ハイブリッドソフトボード
デッキ面はソフト、ボトム面はハードという特性を持つハイブリッドモデルです。Beach AccessのHSシリーズがこれにあたります。
- おすすめモデル:HS 7'6" ミッドレングス シングル、HS 6'10" クアッドフィッシュ
- 特徴:ソフトボードの安全性とハードボードの性能を両立
2. ミッドレングスボード
6'6"〜7'6"程度の中間的な長さで、安定性と操作性のバランスが取れたボードです。
- おすすめモデル:Standard 7'6" クアッド、HS 6'2" エッグ
- 特徴:パドリングのしやすさを維持しながら、より敏感な反応性を提供
ミッドレングスボードの魅力については、【2025年版】初めてのミッドレングスサーフボード おすすめ5選!後悔しない選び方も徹底解説の記事も参考にしてください。
5. 初心者サーファーのよくある質問と回答
Q1: ソフトボードとハードボードでは寿命や耐久性に違いはありますか?
A: はい、違いがあります。適切なケアを行った場合、一般的にソフトボードは3〜5年、ハードボードは5年以上使用できます。ただし、使用頻度や保管状態によって大きく異なります。
ソフトボードは直射日光や高温に弱いため、使用後は陰干しし、直射日光を避けて保管することが重要です。ハードボードは衝撃に弱く、小さなディンプル(凹み)でも水が入り込むとコア材が劣化するため、丁寧な取り扱いが必要です。
詳しくは【徹底解説】ソフトボードの寿命は?長持ちさせるコツも紹介!をご覧ください。
Q2: ソフトボードとハードボードでメンテナンス方法に違いはありますか?
A: はい、メンテナンス方法に違いがあります。
ソフトボードのメンテナンス:
- 使用後は真水で洗い、日陰で乾燥させる
- 直射日光や高温を避けて保管する
- ワックスフリータイプの場合、定期的にデッキ面を軽く洗う
- フィンやリーシュプラグの緩みをチェックする
ハードボードのメンテナンス:
- 使用後は真水で洗い、日陰で乾燥させる
- 定期的にワックスを落とし、新しいワックスを塗る
- ディンプルや小さな傷はすぐに修理する
- 直射日光を避け、ボードカバーを使用して保管する
詳細なメンテナンス方法については、ソフトボードの取り扱い、メンテナンスの仕方の記事を参考にしてください。
Q3: 小波でもソフトボードは楽しめますか?
A: はい、むしろ小波ではソフトボードの方が有利な場合が多いです。ソフトボードは浮力が高く、小さな波のエネルギーでもスピードを出しやすいため、ヒザからお腹サイズの波でも十分楽しめます。特に浮力の高い長めのソフトボード(8'0"以上)は、小波でのパフォーマンスに優れています。
Beach Accessでは、小波用ソフトボードとしてStandard 8'0" スカッシュテールやStandard 8'0" ピンテールがおすすめです。
Q4: ソフトボードでもワックスは必要ですか?
A: Beach Accessのソフトボードは多くがワックスフリーモデルであり、特別な滑り止め加工が施されているため、基本的にワックスは必要ありません。ただし、以下のような状況では、ワックスを使用する場合もあります:
- 特に滑りやすいと感じる場合
- 夏場の暑い時期に表面が熱くなる場合
- 競技などでより強いグリップ力を求める場合
ワックスを使用する場合は、ソフトボード専用か、通常のハードボード用よりも柔らかめのワックスを使うことをおすすめします。
詳しくはソフトボード用ワックス 塗り方は?キレイに落とす方法は?をご覧ください。
Q5: 子供のサーフィンにはどちらのボードが適していますか?
A: 子供のサーフィンには圧倒的にソフトボードがおすすめです。その理由は以下の通りです:
- 安全性が高く、衝突時の怪我のリスクが低い
- 軽量モデルが多く、子供でも持ち運びやすい
- 浮力が高いため、テイクオフが容易
- 耐久性があり、多少の乱暴な扱いにも耐える
- 成功体験を得やすく、モチベーションを維持しやすい
Beach Accessでは、子供向けのソフトボードとしてm-soft 6'0"がおすすめです。小学生から中学生まで幅広く使えるサイズです。
6. まとめ:あなたに最適なサーフボードを見つけよう
初心者サーファーにとって、ソフトボードとハードボードの選択は重要な決断です。以下のポイントを踏まえて、自分に最適なボードを選びましょう:
ソフトボードがおすすめな人
- サーフィンを始めたばかりの初心者
- 安全性を最優先したい方
- 子供や家族でサーフィンを楽しみたい方
- 週末や不定期にサーフィンを楽しむ方
- メンテナンスの手間を最小限に抑えたい方
ハードボードがおすすめな人
- サーフィン経験が1年以上ある中級者以上
- 高度なマニューバーを習得したい方
- 競技志向の強い方
- ボードの反応性とパフォーマンスを重視する方
- ボードケアに時間をかけられる方
理想的なアプローチは、ソフトボードから始めて基本的なスキルを習得し、徐々に高性能なソフトボード(HSシリーズなど)に移行、そして最終的にハードボードへと進むというステップです。
Beach Accessでは、初心者から上級者まで、幅広いレベルのサーファーに対応したソフトボードを提供しています。あなたの体格、経験、目標に合わせた最適なボード選びをサポートします。
Beach Accessソフトボードシリーズ
- m-softシリーズ:安全性と軽量性を重視した初心者向けエントリーモデル
- Standardシリーズ:安定性と性能のバランスが取れた初級〜中級者向けモデル
- HSシリーズ:ハードボード並みの性能を持つ中級〜上級者向けモデル
詳しい違いについては、ソフトボード完全ガイド:初心者からプロまで使える選び方と魅力やBeach Access ソフトボード シリーズの違いをご覧ください。
あなたに最適なソフトボードを見つける
Beach Accessの豊富なソフトボードラインナップから、あなたにぴったりの一枚を見つけてください。
サーフィンは、適切なボードを選ぶことで、より安全に、より楽しく上達することができます。この記事を参考に、あなたのサーフィンライフがより充実したものになることを願っています。波乗りを楽しんでください!
監修者

ヒガシーサー
サーフィン歴20年、オンラインサーフィンスクール「Corrective Surf'n' Fitness」のアンバサダーを務め、誰でも簡単にサーフィン上達ができるハウツーを紹介。SNS総フォロワーは65,000人以上。